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産婦人科医の平均年収は?年齢や勤務地別の年収や働き方を解説

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産婦人科医の仕事は新たな命の誕生に向き合うため、やりがいとともに大きな責任が伴います。医師不足や訴訟などの課題が多い診療科ですが、年収は高めの水準です。

一方で、勤務先によっては平均年収よりも低いケースがあり、「もっと年収を上げたい」と考える産婦人科医もいるでしょう。

この記事では、産婦人科医の年収を診療科別、年齢別、地域別に比較したうえで、年収を上げる方法を紹介します。年収アップを望む産婦人科医は、ぜひ参考にしてみてください。

産婦人科医の平均年収

産婦人科医の平均年収は独立業生法人 労働政策研究・研修機構の「勤務医の就労実態と意識に関する調査」のよると、約1,466万円となっています。

平均年収
1,466.3万円

引用元:独立業生法人 労働政策研究・研修機構|勤務医の就労実態と意識に関する調査

産婦人科医の平均年収は高収入のイメージがある医師のなかでもトップクラスを誇ります。ちなみに所得税や社会保険料などを除いた手取り額は約974万円です。

医師の定年退職は国立病院で65歳、民間病院では60歳または65歳と勤務先によって異なります。仮に26歳で産婦人科医となり65歳で定年退職する場合、産婦人科医として働くのは39年間です。

産婦人科医の平均年収をもとに生涯年収を39年で試算すると、5億7,174万円となります。

【年齢別】産婦人科医の平均年収

産婦人科医の年齢別の年収は以下のとおりです。

600万円未満 600万円~1,000万円未満 1,000万円~1,400万円 1,400万円~2,000万円 2,000万円以上
20代 100% 0% 0% 0% 0%
30代 14% 29% 14% 29% 14%
40代 0% 0% 17% 17% 67%
50代 0% 0% 17% 50% 33%
60代 0% 0% 0% 40% 60%

引用元:リクルートドクターズ|産婦人科の年収事情

20代の年収は低めであり、産婦人科医の平均年収の半分以下です。20代は医師としても産婦人科医としても駆け出しのため、年収も低めの水準となっています。

30代になると経験や技術が蓄積されるため、徐々に年収1,000万円を超えるようになります。40代になるとさらに経験を重ねつつ、課長職などの役職につく医師や、開業を考える医師が増える傾向のため年収2,000万円を超える割合が多いです。

50代・60代は産婦人科医としての技術・経験・キャリアが積み上がり、病院の経営が起動に乗ったり、役職が上がったりすることが考えられるため、産婦人科医の平均年収を上回るケースが多くなります。

【勤務地別】産婦人科医の平均年収

医師の年収には地域差があります。ここでは、産婦人科医の地域別の平均年収を見ていきましょう。

600万円未満 600万円~1,000万円未満 1,000万円~1,400万円 1,400万円~2,000万円 2,000万円以上
北海道・東北 0% 0% 50% 50% 0%
関東 0% 0% 0% 17% 83%
中部 0% 11% 0% 22% 67%
関西 0% 0% 33% 33% 33%
中国・四国 0% 25% 0% 75% 0%
九州・沖縄 50% 0% 25% 0% 25%

引用元:リクルートドクターズ|産婦人科の年収事情

関東・中部・関西は比較的年収が高めになっています。高収入の理由は、地域別の出生数を確認してみると理解しやすいでしょう。

以下は2020年の内閣府のデータより、出生数の多い地域トップ5をまとめたものです。

地域 出生数
東京都 99,661人(全国1位)
大阪府 61,878人(全国2位)
神奈川県 60,865人(全国3位)
愛知県 55,613人(全国4位)
埼玉県 46,328人(全国5位)
全国 840,835人

参考:内閣府 第1部少子化対策の現状(第1章 6)第1-1-29図 都道府県別出生数・合計特殊出生率

関東、中部、関西にはそれぞれ出生数トップ3に含まれる都市があるため、産婦人科医の需要が高い地域といえます。需要が高ければ、産婦人科医の市場価値も上がるため、年収も高いと考えられるでしょう。

他の診療科より産婦人科医の年収は高い?

産婦人科医の年収は、他の診療科と比べて高いのでしょうか。診療科別の平均年収は以下のとおりです。

診療科 平均年収
脳神経外科 1,480.3万円
産婦人科 1,466.3万円
外科 1,374.2万円
麻酔科 1,335.2万円
整形外科 1,289.9万円
呼吸器科・消化器科・循環器科 1,267.2万円
内科 1,247.4万円
精神科 1,230.2万円
小児科 1,220.5万円
救急科 1,215.3万円
その他 1171.5万円
放射線科 1,103.3万円
眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科 1,078.7万円

引用元:独立業生法人 労働政策研究・研修機構|勤務医の就労実態と意識に関する調査

上記のように、産婦人科医の年収は全診療科のなかで2番目の高水準となっています。

産婦人科医は、いつ起こるのかわからない分娩に備えてオンコールや当直などの頻度が多いことが特徴です。また、産婦人科医の数が少ない地域では、激務を強いられる場合があります。

さらに、訴訟やトラブルに巻き込まれるリスクもあり、深刻な医師不足を抱える診療科のため、産婦人科医を確保するために高い報酬を提示する医療機関も多い傾向です。

ただし、今回紹介した平均年収はあくまで目安であり、実際は勤務先によって年収に差が出ると考えられます。

産婦人科医の仕事内容

産婦人科医の仕事は、産科と婦人科に分かれます。それぞれの仕事内容は以下のとおりです。

【産科】

産科の主な仕事内容 詳細
妊娠 妊娠の確定から出産に至るまでの管理、妊婦健診など。
出産 分娩の誘発、陣痛促進、帝王切開など、母体と胎児の命を守りつつ新しい命の誕生へと導く。
産後の管理 産後の母体と新生児の健康管理など。

【婦人科】

婦人科の主な仕事内容 詳細
婦人科疾患の診断・治療 がん検診、子宮・卵巣・乳房などの婦人科疾患の診断と治療。
不妊治療 不妊の原因を把握し、状況に応じて薬物治療や手術など。

産科は、妊娠から無事に出産に至るまでのサポートが主な仕事であり、母体と胎児それぞれの命を守るために幅広いスキルや経験が必要です。

婦人科は、子宮頸がん、卵巣がんなどのがん検診や、更年期障害、月経サイクルの乱れや不調などさまざまな疾患の診断や治療にあたります。また、近年の晩婚化に伴い不妊治療を行うケースが増えており、産科と連携して治療を進めます。婦人科は若い世代から高齢者まで、あらゆる年代の女性をサポートするのが主な仕事です。

参照:厚生労働省|職業情報提供サイトjobtag 産婦人科

産婦人科は激務?産婦人科医の働き方

産婦人科医の働き方は勤務先によって異なります。まずは勤務先別のメリット・デメリットを確認してみましょう。

メリット デメリット
総合病院・専門病院
  • 手術や治療の経験を積める
  • 専門性を高められる
  • 当直やオンコールが多い
  • 仕事中心の生活になりやすい
  • 難ケースは訴訟に発展する可能性がある
産科クリニック
  • 1人ひとりに寄り添った診療ができる
  • ワークライフバランスと整えやすい
  • ハイリスクの分娩は行えない
  • 扱う疾患が限られる
レディースクリニック
  • プライベートの時間を確保しやすい
  • 残業がほとんどない
  • 分娩の経験や技術が積めない

病院でもクリニックでも勤務先によって仕事量や仕事内容は異なるため、自分に合った職場を見つける必要があります。

それでは、それぞれの特徴を解説します。

総合病院・専門病院

総合病院・専門病院では多くの手術や先進的な治療などを行うため、専門的なスキルを高められます。一方、当直やオンコールは頻回になる場合があり、激務となる職場もあるでしょう。

高度な医療を経験でき、産婦人科医としての地位を向上させやすいメリットがある反面、仕事に費やす時間が増えることがデメリットです。

専門性の向上よりもワークライフバランスを保ちたい人は、後述するクリニックを選ぶのとよいでしょう。

産科クリニック

産科クリニックという名称でも、婦人科を併設する施設はありますが、ここでは産科のみの診療を行うクリニックとして扱います。

産科クリニックの場合は、病院よりも小規模のため1人の患者さんに向き合える時間を確保しやすいことがメリットです。一方、リスクの高い患者の分娩は行えず、対象とする疾患も限られるデメリットがあります。

レディースクリニック

レディースクリニックという名称でも、産科を併設する施設はありますが、ここでは婦人科のみの場合をレディースクリニックとして扱います。

レディースクリニックでは、子宮・卵巣などのがん検診や治療、不妊治療を行います。総合病院よりも小規模のため、患者1人ひとりに寄り添った診療ができるのがメリットです。当直やオンコールが少なく、仕事と家庭の両立もしやすいでしょう。

一方で、婦人科に特化したクリニックでは、分娩の経験や技術を積めないのがデメリットとして挙げられます。

産婦人科医が年収を上げるには

産婦人科医は平均年収が高めの診療科ですが、実際の年収は勤務先によって異なります。現状で「収入に不満がある」「もっと年収を上げたい」という人には、以下2つの方法を紹介します。

  • アルバイトをする
  • 転職をする

アルバイトをする

アルバイトは、産婦人科クリニック等で外来診療や病棟業務、妊婦健診などを行います。

勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると2か所目の勤務先の平均賃金は、1日あたり6万円前後です。仮に月に4回アルバイトした場合は、24万円の月収アップとなり、年収は288万円上がるでしょう。

ただし、2024年4月以降に始まる「医師の時間外労働の上限規制」により、月100時間を超える時間外労働は制限されます。

常勤の勤務先で時間外労働が多い人は、自由にアルバイトできなくなるケースもあると理解しておきましょう。

参照:厚生労働省|医師の働き方改革について
厚生労働省|医師の時間外労働規制について

転職をする

転職も年収を上げる選択肢の1つです。年収が高い職場や地方に転職すると、年収アップにつながる場合があります。

医療機関ごとの常勤産婦人科医の年収は以下のとおりです。

600万円未満 600万円~1,000万円未満 1,000万円~1,400万円 1,400万円~2,000万円 2,000万円以上
大学病院
国公立病院
11% 22% 0% 11% 56%
民間病院 0% 0% 25% 31% 44%
クリニック 17% 0% 0% 50% 33%

引用元:リクルートドクターズ|産婦人科の年収事情

大学病院や国立病院はそれぞれの年収層に幅広く分布しています。産婦人科医としての腕を磨きたい場合は大学病院や国立病院などで勤務する場合が多く、医師数や若手医師の割合が多い傾向に。そのため、年収にばらつきが出ていると考えられます。

民間病院の年収1,000万円以下は0%であるため、大学・国立病院勤務で年収1,000万円に満たない場合は、民間病院への転職を行うことで年収をアップさせられるかもしれません。

また、以下のように医師全体において政令指定都市や東京23区以外の地域では、平均的に年収が高めです。

地域 年収
政令指定都市・東京23区外 1314.7万円
政令指定都市・東京23区 1137.3万円

引用:独立業生法人 労働政策研究・研修機構|勤務医の就労実態と意識に関する調査

地方は医師不足が問題になっているため、産婦人科医も転職する地域によっては年収が上がる可能性も考えられます。

まとめ

本記事では産婦人科医の平均年収や仕事内容、年収を上げる方法を解説しました。産婦人科医は医師不足により激務となる職場もある反面、診療科別の平均年収は脳神経外科に次ぐ第2位となっています。

年収を現状よりも増やしたい場合は転職やアルバイトを検討するとよいでしょう。転職・アルバイトを検討するなら「メディカルジョブ」がおすすめです。

メディカルジョブは求職者の希望を丁寧にヒアリングしたうえで、最適な転職先やアルバイト先を提案します。転職活動やアルバイト探しが初めてでも、担当者のサポートがあるため安心して転職活動を行えるのが特徴です。

「どんな職場への転職がよいのかわからない」「自分でアルバイト先を探すのは面倒」という人はぜひ一度、メディカルジョブを活用してみてください。

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