医師・看護師・薬剤師の
求人・転職・アルバイトは【メディカルジョブ】

精神科医の年収は?年齢や勤務地別の年収や働き方を解説

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

精神科医としての働き方はさまざまです。また、働き方や資格の有無によって、平均年収も異なるでしょう。本記事では、精神科医の平均年収や働き方、年収アップするための方法について解説します。

精神科医としてさらなるキャリアアップを図りたい方や、転職やアルバイトなどをして年収アップを実現させたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

精神科医の平均年収

労働政策研究・研修機構が行った「勤務医の就労実態と意識における調査」によると、精神科医の平均年収は1,230万円です。13の診療科の平均年収の中央値は1,261万円であるため、やや低い平均年収といえます。

平均年収
1,230万円

精神科医は年収の格差が激しいといわれており、その理由としては総合病院などの大きな病院に勤めているか否かによって年収が変わってくる点が挙げられます。

参考:労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」

【年齢別】精神科医の平均年収

リクルートドクターズキャリアによると、精神科医の年齢別の平均年収は以下の通りです。

年齢 年収
20〜29歳 600〜1,000万円
30〜39歳 1,000〜1,400万円
40〜49歳 1,400〜2,000万円
50〜59歳 1,400〜2,000万円
60〜69歳 1,000〜1,400万円

精神科医の平均年収は、年代が上がるにつれて上がっています。

20代は研修医期間でもあるので、どの診療科においても年収は低くなります。30代以上になると医局に入局するなど、キャリアを構築し始める時期になるため、年収も上がりやすい傾向にあります。40~50代になると役職に就く医師が増えたり開業医になったりする医師も増えるため、20~30代に比べると年収が1,000万近く変動します。

参考:リクルートドクターズキャリア「精神科の年収事情」

【勤務地別】精神科医の平均年収

リクルートドクターズキャリアによると、地域ごとに見た精神科医の平均年収の割合は、以下の通りです。

600万円未満 600万円~1,000万円未満 1,000万円~1,400万円未満 1,400万円~2,000万円未満 2,000万円以上
北海道・東北 0% 0% 33% 33% 33%
関東 0% 46% 23% 31% 0%
中部 0% 0% 33% 44% 22%
関西 0% 11% 22% 67% 0%
中国・四国 20% 20% 0% 40% 20%
九州・沖縄 0% 0% 31% 54% 15%

都心を含む関東の場合、年収600〜1,000万円の精神科医が46%おり、1,400〜2,000万円の精神科医は、31%です。一方で、中部・中国・四国・九州・沖縄の場合、1,400〜2,000万円の精神科医が40%以上います。このように、都心と地方で平均年収が異なる理由は、需要と供給のバランスが関係しています。

都心の場合、患者数が多い分、医師の数が地方よりも多いため、給与が抑えられる傾向があるでしょう。一方で、地方の場合は、医師の数が足りない地域が多く、病院側が必要な医師を確保するため、給与を上げる傾向があります。その結果、地方のほうが年収は高くなりやすいです。

参考:リクルートドクターズキャリア「精神科の年収事情」

他の診療科と比べて精神科医の年収は高い?

労働政策研究・研修機構の調査では、精神科医の平均年収は他の診療科と比べると、上から8番目になっています。そのため、精神科医の平均年収は、他の診療科に比べて比較的低いといえるでしょう。

診療科 年収
脳神経外科 1,480万円
産科・婦人科 1,466万円
外科 1,374万円
麻酔科 1,335万円
整形外科 1,289万円
呼吸器科・消化器科・循環器科 1,267万円
内科 1,247万円
精神科 1,230万円
小児科 1,220万円
救急科 1,215万円
その他 1,171万円
放射線科 1,103万円
眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科 1,078万円

精神科医の年収が他の診療科に比べて比較的低い理由は、緊急を要する治療や手術などがないためです。例えば、平均年収が最も高い脳神経外科の場合、脳卒中やくも膜下出血といった緊急を要する治療や手術が必要になることも多々あります。高度な技術が必要になるだけではなく、昼夜を問わず緊急対応を行う必要があるため、給与水準は高くなるでしょう。

また、オンコールの日数や当直の日数など、診療科によって異なるため、平均年収にばらつきがあるといえます。

参考:労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」

精神科はきつい?精神科医の働き方

精神科がきついかどうかは「どこで働くか」によって異なります。以降で施設ごとの精神科医の働き方を解説します。

  メリット デメリット
総合病院・専門病院
  • 比較的年収が高い傾向にある
  • 多様な疾患をもつ患者の対応にあたるので、スキルアップにつながる
  • 外来のみではなく、入院患者の対応もあるため、多忙になりやすい
  • 時間外労働や日当直も発生しやすい
メンタルクリニック
  • オンコールや時間外労働、日当直がほぼないため、ワークライフバランスがとりやすい
  • 総合病院・専門病院よりは平均年収が低い傾向
  • 入院施設を持たないため、キャリアアップのチャンスが少ない可能性がある
公的機関
  • 福利厚生が充実しており、土日祝日の休みが確保されているため、ワークライフバランスがとりやすい
  • 平均年収が比較的低い
  • 臨床では必要とされない法律などの知識の勉強が必要になる場合がある
産業医
  • 診察や治療を行わないため、比較的業務量は少ない
  • 専門資格の取得が必須
  • 均年収が比較的低い

診察や治療の機会が少ない場合、業務量が抑えられるため、平均年収は下がる傾向になります。一方で、診察や治療のほか、時間外労働やオンコール、日当直が発生すると、平均年収は上がるでしょう。

総合病院・専門病院

精神科を持つ総合病院や専門病院の場合、精神科医は入院患者や外来患者の診療・管理を行うため、比較的業務量が多くなる可能性があります。特に、総合病院の場合、せん妄や睡眠障害などがみられる他の診療科の患者の診療に追われることもあり、日当直や時間外勤務などの業務も行わなければなりません。

場合によっては、緊急入院の患者対応に追われることもあります。大きな病院になるほど、他の診療科と同じように業務が多岐にわたりますが、その分さまざまなスキルを養える現場であるともいえます。

メンタルクリニック

メンタルクリニックでは、入院施設を持たず、外来診療や訪問診療をメインに行います。オンコールや時間外勤務、日当直などはほぼ発生しないため、ワークライフバランスがとりやすいといえるでしょう。認知症を専門的に扱うクリックなら、介護施設なども訪問することがあります。

また、メンタルクリックは内科や外科のように、大型の医療機器などを導入する必要がないため、開業するなら維持費や初期費用を抑えやすいのが特徴です。そのため、収益性が比較的高く、平均年収も高い水準であるとされています。

公的機関

公的機関としては、自治体の精神保健福祉センターが含まれます。公的機関の精神科医の場合、精神保健相談だけでなく、福祉領域の業務にも携わります。土日祝日の休みが確保されており、福利厚生が充実しているのが特徴です。

また、時間外労働が少ないため、ワークライフバランスがとりやすいでしょう。しかし、臨床とはあまり関係のない福祉に関係ある法律を勉強する必要があるため、他の医師よりも自己研鑽が必要になります。

産業医

産業医の場合、担当する企業に勤める労働者に対する対応やストレスチェック、保健指導や面談の実施などの業務を行います。精神科医と異なり、診察や治療を行わないため、比較的業務量は少ないといえます。

ただし、産業医になるためには、医師免許の他に産業医資格を取得する必要があります。資格取得にはいくつかの方法がありますが、日本医師会や産業医大学の講座を受講することで、資格を取得できます。

医師免許だけでは勤務できないため、別で勉強時間を取らなければならないのがデメリットといえるでしょう。

精神科医が年収を上げるには

精神科医が年収を上げるには、以下3つの方法があります。

  • 資格を取得する
  • アルバイトをする
  • 転職をする

たとえば、精神保健指定の資格を取得しておくと、その資格を必須条件として採用している病院で勤務できます。また、非常勤勤務医として週1回程度アルバイトをすることで、年収を上げることができます。現在勤めている病院の給与面が理想と異なる場合は、より良い給与の病院に転職することで、年収アップが期待できます。

それぞれの特徴を詳しく紹介します。

資格を取得する

資格を取得することで、専門性がアピールでき、年収アップにつながるケースがあります。精神科医が取得できる主な資格は、以下の通りです。

資格 概要
精神科専門医 医師として5年以上の臨床経験を有し、うち3年以上の精神科臨床経験を有する医師が認定試験に合格することで得られる民間資格
精神保健指定医 5年以上の診断または治療に従事し、うち3年以上精神生涯の診断または治療に従事した経験を持つ医師が取得できる。厚生労働省が定めている資格

精神保健指定医は、精神科医療において、応急入院や措置入院、医療保護入院などの矯正入院の措置をとるために必要な資格です。精神保健指定医の資格を有する医師を採用条件に設定している精神科の医療機関もあります。そのため、転職時に有利になり、良い報酬の医療機関を選びやすくなるでしょう。

アルバイトをする

非常勤勤務医として病院の病棟や一般外来でアルバイトをすることで、その分年収を上げられます。時給としては約1万円が相場といわれているので、週1日(8時間)のアルバイトを月4日行うことで、月収32万円プラスできることになります。年間で約384万円の収入アップが見込めるでしょう。

しかし、個人でアルバイト先を見つけるのは難しいため、求人サイトを利用し、情報収集することが大切です。

転職をする

地方の精神科病院や高度な症例を扱っている病院などに転職することで、年収アップが期待できます。特に、精神科医として豊富な臨床経験を積んでいる医師や、精神保健指定医の資格を持っている医師の場合、より年収アップが図れるでしょう。

とはいえ、日々の業務に追われながら転職先を探すのは難しいといえます。そこで、おすすめなのは転職エージェントを利用することです。経験豊富なキャリアコンサルタントに相談することで、自身の要望に合った転職先が見つけやすくなります。

まとめ

精神科医の平均年収は、1,230万円です。医師全体の年収の中央値は1,261万円であるため、やや低い給与水準といえるでしょう。また、精神科医の業務がきついかどうかは、働く環境によります。外来診療や日当直、時間外勤務などが多い総合病院などの場合、業務量が多い傾向です。一方で、外来診療や日当直、時間外勤務が少ない産業医や公的機関、クリニックの場合は、業務量が比較的少ないのが特徴です。

精神科医が年収を上げるには、資格の取得やアルバイト、転職をすることで年収を上げられるでしょう。資格を持っておくことで、アルバイトや転職時に有利になるかもしれません。たとえば、精神保健指定医は、精神科医療において、応急入院や措置入院、医療保護入院などの矯正入院の措置をとるために必要な資格です。転職市場では、この資格を必須としている求人もあるため、保有しておくことで、アルバイトや転職時に活用できるでしょう。

しかし、資格を持っていたとしても、転職の仕方がわからなかったり、転職先・アルバイト先がなかなか見つからなかったりする方もいるでしょう。そもそも、転職をすることがベストなのか、それとも精神科医としてキャリアアップを目指すべきなのか、悩む方もいるかもしれません。そんな方におすすめなのが「メディカルジョブ」です。

メディカルジョブでは、豊富な転職先・アルバイト先の中から転職希望者の希望に沿った選択肢を提案できます。また、転職先・アルバイト先への同行や勤務後のフォローを徹底して行うため、転職やアルバイトに慣れていない医師でも利用しやすいでしょう。転職やアルバイトでお困りの方は、ぜひメディカルジョブを活用してみてください。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。