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小児科医の平均年収は?年齢や勤務地別の年収や働き方を解説

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「小児科医の平均年収はいくらなのだろう」
「同じ小児科医でも環境によって年収は変わるのだろうか」
「小児科医の年収を上げる方法が気になる」

このような疑問や悩みをお持ちではないでしょうか。

小児科医の平均年収は約1,220万円となっており、診療科別平均年収よりやや低い額です。しかし、転職やアルバイトにより、年収が大幅に上がる可能性があります。

今回は、小児科医の年収について解説したあと、具体的な年収の上げ方について解説します。小児科医の年収状況を確認し、年収アップを考えている人は、参考にしてみてください。

小児科医の平均年収は約1,220万

労働政策研究・研修機構の「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、小児科医の平均年収は1,220.5万円と公表されています。

小児科医の平均年収
平均金額約1,220.5万円(500万円未満:10.1%、1,000万円以上:69.2%)

引用:独立業生法人 労働政策研究・研修機構|勤務医の就労実態と意識に関する調査

国税庁の調査によると令和4年度の平均年収が約458万円であるため、小児科医の年収は全体年収の約2.6倍であることがわかりました。全体年収と比べると、かなりの高水準といえます。他診療科との年収の比較は、この後解説しています。

参照:国税庁|令和4年分民間給与実態統計調査結果について

【年齢別】小児科医の平均年収

リクルートドクターズの「小児科医の年収事情」によると、小児科医の年齢別の平均年収は以下のようになっています。

600万円未満 600万円~1,000万円未満 1,000万円~1,400万円 1,400万円~2,000万円 2,000万円以上
30代 15% 38% 31% 15% 0%
40代 6% 11% 22% 61% 0%
50代 0% 10% 10% 60% 20%
60代 0% 0% 25% 50% 25%

引用:リクルートドクターズ|小児科医の年収事情

30代までは年収1,400万円までが約8割を占めますが、40代以降は年収1,400万円以上を超える割合が増えています。年代が上がるのに比例して年収が増加するのは、以下の要因が考えられます。

  • 臨床経験の蓄積

診療を通して医師としての臨床経験が蓄積されてくると、より難しい症例を担当したり、経験の浅い医師の指導にあたったりと仕事の幅が広がります。それに伴い、年収も増加することも考えられるでしょう。

  • 要職への就任

医師としての知識と技術が向上し、周囲からの信頼を得られると、管理職や責任者などの要職を任される場合があります。医師としての業務だけではなく、部下の指導育成や、組織の方針決定などにも携わらなければなりません。そのため、これら業務への報酬が、年収に反映される場合が多いでしょう。

  • 専門医資格の取得

専門医資格を保有していると、特定の分野において深い知識と高い技術をもっている証拠になります。勤務先によっては、専門医資格の保有を評価し、報酬を上げてくれるところもあります。

  • クリニックの開業

40代以降になると、クリニックを開業する医師も増えてきます。開業してしばらくは、経営が安定しないかもしれません。しかし周りに認知され、信頼が増してくると患者が増え、年収が上がる傾向にあります。

【勤務地別】小児科医の平均年収

リクルートドクターズの「小児科医の年収事情」によると、小児科医の勤務地別の平均年収は以下のようになっています。

600万円未満 600万円~1,000万円未満 1,000万円~1,400万円 1,400万円~2,000万円 2,000万円以上
北海道・東北 0% 0% 33% 33% 33%
関東 0% 10% 40% 50% 0%
中部 18% 18% 9% 45% 9%
関西 0% 0% 25% 75% 0%
中国・四国 0% 0% 40% 60% 0%
九州・沖縄 8% 42% 8% 33% 8%

引用:リクルートドクターズ|小児科医の年収事情

表を整理すると、北海道・東北地方の平均年収が高い傾向にあり、九州・沖縄地方の年収が低い傾向にあります。関東地方は年収1,000万円から2,000万円に集中しているのが特徴的です。

医師の年収が地域によって異なるのは、需給バランスが大きな要因といえます。医師が不足している地域では、高い需要があるため、報酬が高く設定されることが多いです。一方、医師が豊富な地域では、競争が激しく、年収がやや低くなることが考えられます。このように、地域の医師の需給状況が年収に影響を与えているといえるでしょう。

【医療施設別】小児科医の平均年収

リクルートドクターズの「小児科医の年収事情」によると、小児科医の医療施設別の平均年収は以下のようになっています。

600万円未満 600万円~1,000万円未満 1,000万円~1,400万円 1,400万円~2,000万円 2,000万円以上
大学病院
国公立病院
7% 20% 13% 50% 10%
民間病院 0% 9% 45% 45% 0%
クリニック 33% 0% 33% 33% 0%

引用:リクルートドクターズ|小児科医の年収事情

大学病院や国立病院に勤務する医師の年収は、一般的には低いといわれていますが、教授や准教授などの役職に就くと、年収が上がる傾向にあります。

民間の病院やクリニックでは、病院の経営状態や経営方針によって医師の年収はさまざまです。また先述したように、勤務する地域によっても変動するため、どの医療施設の年収が高いか一概にはいえません。

他の診療科と小児科医の年収の比較

労働政策研究・研修機構の「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、診療科別の平均年収は以下のように公表されています。

診療科 平均金額(万円)
内科 約1,247万円
外科 約1,374万円
整形外科 約1,290万円
脳神経外科 約1,480万円
産科・婦人科 約1,466万円
呼吸器科・消化器科・循環器科 約1,267万円
精神科 約1,230万円
眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科 約1,079万円
救急科 約1,215万円
麻酔科 約1,335万円
放射線科 約1,103万円

引用:独立業生法人 労働政策研究・研修機構|勤務医の就労実態と意識に関する調査

表に記載されている各診療科の平均年収は約1,235万円です。小児科医の平均年収が約1,220万円であるため、小児科医の平均年収は平均よりやや低めといえます。

診療科目によって年収に開きがある要因としては、診療のリスク面や時間外労働の有無が考えられるでしょう。たとえば年収が最も高い脳神経外科医は、緊急を要する手術が多いため、時間外手当の増加が高年収に影響している可能性があります。

また、手術によるトラブルで訴訟リスクのある外科や産婦人科医は敬遠されがちな診療科目です。そのため年収が高く設定されている傾向にあります。

一方で小児科医は、緊急を要する手術は多くありません。また勤務先によって異なりますが、多くの場合、時間外労働も比較的少ないことから、診療科別の平均年収程度に落ち着いているといえるでしょう。

いずれにしても、勤務先の経営方針や勤務先がある地域によって年収は大きく変動します。あくまでも上記の平均年収は目安であることを理解しておきましょう。

小児科医の仕事内容

小児科医の仕事は、生まれてから大人になるまでの小児期の病気を診断し、治療をおこないます。病気の子どもの痛みや辛さを最小限に抑える治療を提供することはもちろん、その発達をしっかりと見守るのも重要な役目です。

また、小児科医の役割は、単に医療の提供だけではありません。子どもやその家族の背景を理解し、健全な養育方法を一緒に考え、実践することが大切です。特別な支援が必要な子どもやその家族のサポート、予防接種、集団健診など、病院や診療所の外での活動も積極的に行います。

さらに小児科医は、地域の保健福祉活動とも連携し、子どもだけでなく、家族や地域へのサポートにも関わります。子どもの身体や心の発達は年齢と共に大きく変わるため、幅広い知識と技術が必要です。

厚生労働省|職業情報提供サイトjobtag 小児科医

小児科は激務?小児科医の働き方

慢性的な人手不足や小児を対象に診療することから、小児科医は激務といわれます。実際の小児科医の働き方をみていきましょう。

結論からいうと、勤務する場所によって働き方は大きく変わってきます。その一例を、病院とクリニックに分けて解説します。

メリット デメリット
総合病院・専門病院
  • チーム医療を経験できる
  • スキルアップが図れる
  • 宿直やオンコールがある
  • 難しい症例が多い
クリニック
  • 働き方の選択がしやすい
  • 地域とのつながりができる
  • スキルが身につきにくい
  • 収入が不安定になる場合がある

総合病院・専門病院

総合病院や専門病院は、多くの医師や医療従事者とかかわるため、チーム医療の大切さや診療を通したスキルアップが期待できます。

一方で、宿直やオンコールに対応する場面も多くあり、体力が必要です。また、個人病院では対応が難しい症例を紹介される場合が多いため、より慎重な対応が求められます。人によっては心身にストレスを抱える場合もあるでしょう。

病院勤務の小児科医の年収は1,000〜2,000万円が9割を占めているため、平均もしくは平均より高めの年収が見込めるといえます。

クリニック

クリニックは比較的規模の小さい個人経営である場合、働き方の選択がしやすい利点があります。自身が開業している場合には、さらに自由度が高くなるでしょう。また、地域に根ざした診療がしやすいため、アットホームな環境で業務をおこなえます。

ただし、診療する疾患が限定される場合があるため、スキルが身につきにくい点がデメリットです。さらに、患者数の減少により収入が不安定になる可能性があることも頭に入れておく必要があるでしょう。

クリニック勤務の小児科医の年収額にはバラつきが出る可能性が高く、自身の働き方と収入面のバランスをみながら業務にあたる必要があるといえます。

小児科医が年収を上げるには

では、小児科医が年収を上げるにはどうすればよいのでしょうか。具体的には以下の通りです。

  • アルバイトをする
  • 転職をする

アルバイトや転職は誰でも思いつく方法かもしれません。しかし、闇雲に行動するだけでは大幅な年収アップは難しいでしょう。効果的に年収を上げるアルバイト方法や転職方法を解説します。

アルバイトをする

小児科医が年収を上げるために、アルバイトをするのはとても有効です。効率よく年収を上げるために、以下の点に留意しましょう。

  • 夜間や休日の時給が高い時間帯を狙う
  • 自分のスキルを活かせる勤務先を探す
  • 自宅からなるべく近い勤務先から選定する

小児科医のアルバイト時給は1万円前後といわれています。また、当直であれば1回あたり3〜10万円を報酬として受け取れる場合もあります。定期的に勤務すれば、年収を100万円以上アップさせるのは難しくありません。

小児科医のアルバイト案件は比較的多いため、自分に適した勤務形態で働くようにしましょう。

転職をする

小児科医が年収を上げるには、転職も効果的です。転職は、これまでの臨床経験や実績を加味して報酬が決められる場合があるため、年収アップが期待できます。また、勤務する地域によっても年収が大きく異なるため、年収を上げたい人は確認しておきましょう。

  • 年収が高い職場に転職する
  • 地方に転職する

それぞれ解説します。

年収が高い職場に転職する

労働政策研究・研修機構の「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、経営形態別の平均年収は以下のように公表されています。

経営形態 年収(万円)
国立 約882万円
公立 約1,347万円
公的 約1,353万円
社会保険関係団体 約1,281万円
医療法人 約1,444万円
個人 約1,414万円
学校法人 約740万円

引用:独立業生法人 労働政策研究・研修機構|勤務医の就労実態と意識に関する調査

医療法人や個人病院の年収が高いのは、患者数や他職種の人件費が関連しています。また、医療法人や個人病院は医師1人当たりが診療する患者数が多い傾向にあるのも特徴です。加えて、国立や公立病院と比べて他職種の人数が少ないため人件費を低く抑えられる特徴があるといえます。

上記の数値はあくまで目安ではありますが、年収が高い職場に転職を希望する場合、民間の医療機関を中心に検討するとよいでしょう。

地方に転職する

労働政策研究・研修機構の「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、地域別の平均年収は以下のように公表されています。

地域 年収(万円)
政令指定都市・東京23区外 約1,315万円
政令指定都市・東京23区 約1,137万円

引用:独立業生法人 労働政策研究・研修機構|勤務医の就労実態と意識に関する調査

地域 年収(万円)
過疎地域外 約1,248万円
過疎地域 約1,428万円

引用:独立業生法人 労働政策研究・研修機構|勤務医の就労実態と意識に関する調査

上記、2つの表から「地方にある医療機関の方が、都市部より年収が高い」ということがわかりました。これは、医師の需給のバランスが大きく関連しています。

都市部では医師が飽和しており競争率が高いため、低めの報酬でも就職希望者が一定数います。しかし、地方では医師が不足しており、報酬を高めに設定しないと就職希望者が見込めないのです。

あくまで目安のデータではありますが、地方の医療機関の年収が高水準なのは間違いないでしょう。年収アップを求めて転職を希望する場合には、地方への転職も視野に入れるのがおすすめです。

開業する

開業はリスクがある一方で、年収を上げるには効果的な方法のひとつといえます。なぜなら自身の経営能力次第で、大幅な収益の増加が見込めるからです。

実際、開業した小児科医の年収は約2,800万円というデータがあります。勤務医の2倍以上の年収額であるため、開業するメリットは大きいといえるでしょう。

一方で注意点もあります。それは、開業すると年金や保険などの社会保障が手薄になる点です。また、勤務先から支払われる退職金の設定もないため、貯蓄をしておく必要があるでしょう。

さらに、医師として一定のスキルがあったとしても、患者を集める「集客力」がないと経営は安定しません。開業には向き不向きがあることを頭に入れたうえで開業を検討するのがおすすめです。

まとめ

小児科医の年収は約1,220万円で、診療科別年収の平均額よりやや低めです。しかし、民間病院や地方にある病院への転職により年収アップが望めます。また、小児科医の時給は高めであるため、アルバイトをすると年間100万円程度の年収アップは難しくありません。

メディカルジョブでは、個人の希望に沿った転職活動の支援をしています。また、医師向けのアルバイト案件も豊富に取り揃えているのも特徴です。「小児科医としてのスキルアップと年収とのバランスが取れた病院に転職がしたい」「とりあえずアルバイトをして年収を上げたい」このような要望にもお応えできるため、安心してご利用ください。

転職に慣れていない場合には、希望により転職先への同行や勤務後のフォローが可能です。転職やアルバイトでお困りの方は、メディカルジョブを活用してみてください。

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