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フリーランスの医師とは?常勤医師との違い、年収やメリット・デメリットも解説

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近年、常勤医からフリーランスの医師へ転向する働き方が注目されています。しかし、フリーランスの医師としての働き方やメリット・デメリットがわからず、一歩踏み出せない方もいるのではないでしょうか。

本記事では、フリーランスの医師の実態について解説します。今後、フリーランスの医師に転向を考えている方や、フリーランスとしての働き方に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

フリーランスの医師とは

フリーランスの医師とは、特定の医療機関に属さず、非常勤・スポットでのみ生計を立てる医師のことです。常勤医師の場合、特定の病院やクリニックと雇用契約を結び、雇用主が定めた勤務時間の通り働かなければなりません。一方で、フリーランスの医師の場合は「週2日」「1日4時間」のように自分で働き方を決め、定期非常勤・スポットで勤務できます。

そのため、自分のスケジュールや都合に合わせて働くことができます。家事や育児などで多忙な方の場合は、働く時間を限定できるため、メリットがあるでしょう。また、より多くの収入を得たいと考える方の場合は、労働時間を多くすることで、収入アップが期待できます。

フリーランスの医師の働き方

フリーランスの医師の働き方は、主に以下2つに分けられます。

働き方 概要
定期非常勤 半年〜年単位で契約し、勤務時間や勤務日をある程度固定させて仕事できる
スポット 1日・数時間単位で契約し、単発で仕事できる

いずれも、自由な働き方を実現できるひとつの手段になるでしょう。

定期非常勤

定期非常勤とは「週に4日」「1日6時間」のように、勤務時間や勤務日をある程度固定させて働く方法です。半年〜年単位で仕事が得られるため、その間比較的安定した収入が得られるでしょう。

定期非常勤の場合、基本的に時間外勤務やオンコールがありません。そのため、家事や育児、介護などの時間を確保したい医師や、自由な時間を確保したい医師などに利用されています。

スポット

スポットとは、アルバイトのことであり、単発で仕事を請け負う働き方です。「1日だけ」「数時間だけ」といった形で病院と単発契約を結び、勤務します。常勤医師が病気や学会、休暇などを理由に不在になった際、その穴を埋めるために勤務することが多いでしょう。

突発的なニーズに対し、実力のある医師が求められるため、時給が高めに設定されている傾向です。そのため、働き方によっては収入アップが図れる可能性があるでしょう。

特に、年末年始や夏季休暇などの時期はスポットのニーズが高まります。一方で、時期によっては仕事が少ない場合もあるため、収入面で安定性に欠けることもあるのがスポット勤務の特徴です。

フリーランスの医師の年収

フリーランスの医師の年収を計算するために、時給1万円で、常勤医と同程度の労働時間(1日8時間・週5日)で勤務することを仮定します。この場合、月収は8時間×5日×4週で160万円です。この条件で年収を計算すると、160万×12ヶ月で1,920万円となります。

厚生労働省の「平成30年賃金構造基本統計調査」によると、常勤医の平均年収は1,161万円であるため、比較すると、フリーランスの医師の方が年収が高いといえるでしょう。

勤務形態 平均年収
常勤医 1,161万円
フリーランス医師 1,920万円

しかし、この金額はあくまでも目安です。週5日働いた場合は、勤務医よりも年収アップが狙えるかもしれませんが、週の労働時間を減らした場合や仕事が減った場合などを考えると、必ずしも勤務医より年収が高いとはいえないでしょう。

参照:厚生労働省|平成30年賃金構造基本統計調査

フリーランスの医師として働くメリット

フリーランスの医師として働くメリットは、以下の通りです。

  • 時間の融通が効く
  • 常勤より収入が高くなることがある
  • 人脈を広げられる
  • 人間関係の気疲れが少ない

自分の都合やスケジュールに合わせて働き方を柔軟に変えられるため、ワークライフバランスがとりやすくなります。また、仕事をする上で相性が合わない方がいても、長期間ともに働くことが少ないため、人間関係の気疲れも少なくなるでしょう。収入面でも常勤医より高い傾向にあり、キャリアアップの過程で必要な人脈も手に入りやすいのが特徴です。

それぞれのメリットを詳しく解説していきます。

時間の融通が利く

フリーランスの医師の場合、自分の都合やスケジュールに合わせて働き方が変えられるため、時間の融通が利きやすいといえます。

勤務時間や勤務日数を柔軟に変えられるため、ワークライフバランスがとりやすいでしょう。育児や家事、介護などの理由で長時間の労働が難しい方であっても働きやすい雇用形態です。

常勤より収入が高くなることがある

フリーランスの医師の収入は、常勤医よりも高いとされています。定期非常勤やスポットの時給は、常勤医よりも高い傾向にあるため、働き方次第で常勤医より多くの収入が得られるでしょう。

特に、定期非常勤とスポットを掛け合わせ、コンスタントに仕事ができるように工夫できれば、さらなる収入アップが期待できます。

人脈を広げられる

フリーランスの医師は、さまざまな勤務先で働く機会が多いため、人脈を広げやすいといえます。医師同士のつながりだけでなく、看護師や検査技師などのコメディカルスタッフとのつながりも増えるでしょう。

人脈が広がることで、将来的に開業医として独立したり、医療関連のビジネスで起業したりする場面で役に立つこともあります。

人間関係の気疲れが少ない

フリーランスの医師は、働く場所や時間を自由に決められます。そのため、もし仕事で相性が合わない方がいても、長期間一緒に働くことが少ないほか、自分の裁量で勤務先を変えることができるため、人間関係の煩わしさを減らすことができるでしょう。人間関係の気疲れを少なくしたい方にとって適した働き方といえます。

フリーランスの医師として働くデメリット

フリーランスの医師として働くデメリットは、以下の通りです。

  • 安定性が低い
  • 福利厚生や手当が少ない
  • 事務作業が増える
  • 個人の責任・負担が大きい

フリーランスの仕事は定期的に依頼が入ってくるわけではないため、安定性に欠けます。また、福利厚生や手当が少なく、もし病気などで体調を崩して働けなくなった場合、補償が受けられません。確定申告などの事務作業の手間が増える点もデメリットといえるでしょう。

安定性が低い

フリーランスの医師は、仕事の依頼が定期的に入ってくるとは限りません。定期非常勤として勤務していても、勤務先の都合で仕事がストップすることもあるでしょう。そのため、安定性が低い働き方といえます。

安定した収入を得るためには、3ヵ月先、半年先、一年先を見越して常に仕事がある状態をキープしておく必要があります。そのためには営業活動やスキルの研鑽に励むことも重要といえるでしょう。

また、定期非常勤に加え、スポットで勤務する件数を増やしていくことで、収入を確保できる可能性もあります。

福利厚生や手当が少ない

フリーランスの医師の場合、福利厚生や手当が少ないです。たとえば、病気などで働けなくなった場合、休業手当などの補償を受けられません。そのため、何かあった際には収入が途絶えてしまう可能性が高いでしょう。

国民健康保険に加入するほか、前職で勤務先の社会保険に加入していた場合は任意継続保険に入る、医師国保や民間保険に加入するなど、働けなくなった場合のリスクヘッジをしておくことが大切です。

事務作業が増える

フリーランスの医師である以上、確定申告や保険料の支払いなど、さまざまな事務作業が発生します。常勤医師の場合は、勤務先が代行してくれますが、フリーランスの医師の場合は、自分で対応しなければなりません。そのため、作業内容や作業量によっては多くの時間をとられてしまうでしょう。

対策としては、税理士に事務作業を委託すると、作業の手間と時間を減らすことができます。ただし、税理士への依頼報酬がかかってしまう点はデメリットになります。

個人の責任・負担が大きい

フリーランスの医師は、個人事業主という立場であるため、全ての責任を自分で負わなければなりません。たとえば、保険料の支払いや納税など、自分で管理し、事業主として支払い漏れ、納税漏れがないようにしなければなりません。また、自己研鑽のためにかかる費用も自己負担となるため、金銭的負担がかかりやすくなります。ほかにも、万が一医療事故が発生した場合、責任は自分にのしかかります。

医師の業務においては、重責は誰しも同じではありますが、それ以外にもフリーランス医師には事務作業などにかかわる時間的・金銭的コストの負担があることも覚えておきましょう。

フリーランスの医師に必要なスキル

フリーランスに限らず、医師にはコミュニケーションスキルが必要です。医師は、患者との関わりだけでなく、看護師や薬剤師、理学療法士や臨床工学技士などの多くのスタッフと関わり合いながら勤務しなければなりません。患者に対し、適切な治療を行うためにも、医師がリーダーシップを発揮し、スタッフと連携していくことが大切です。

その際に求められるのが、コミュニケーションスキルです。患者に適切な医療を提供するために、治療方法などをスタッフ間で話し合う必要があります。

また、フリーランスの医師は、患者や病院スタッフ以外の人ともかかわるケースが多いです。人事・総務のスタッフや、税務を依頼する税理士、スケジュール・タスク管理を依頼するサポートスタッフなど、仕事の幅にもよりますが、常勤医師以上にコミュニケーション能力が必要になると覚えておきましょう。

フリーランスの医師と常勤医師はどちらがいい?

フリーランスの医師と常勤医師のどちらが働きやすいかは、自分が何を重視するかで異なります。フリーランスの医師をおすすめする人、常勤医師をおすすめする人の特徴は以下の通りです。

フリーランスがおすすめの人 常勤医師がおすすめの人
  • より多くの収入を望む人
  • 人間関係で疲弊したくない人
  • 自由な働き方をしたい人
  • 収入を安定させたい人
  • 福利厚生が整っている環境で働きたい人

収入の安定さを求めるなら、勤務医がおすすめです。しかし、ワークライフバランスや、自由な時間を確保したい場合はフリーランス医師が向いているといえるでしょう。

目先のキャリアだけではなく、長期的なキャリア形成を考えたうえで働き方を検討すれば失敗を防げます。

フリーランスの医師として働くには?

フリーランスの医師として働くには、勤務医として働きながら仕事探しをなければなりません。しかし、仕事がなかなか見つからなかったり、求人を探す時間がなかったりすることもあるでしょう。そこでおすすめなのが、転職エージェントです。転職エージェントを利用することで、プロからアドバイスがもらえるため、多くの情報が得られやすくなります。

また、エージェントによって転職先との条件交渉をしてもらえるため、時間と手間をかけずに転職活動がしやすくなるでしょう。ただし、エージェントの腕によって結果が変わる可能性があるので、相性のよいエージェントを見つけるようにしましょう。

まとめ

フリーランスの医師とは、特定の医療機関に属さず、定期非常勤やスポットでのみ生計を立てる医師のことを指します。定期非常勤・スポットのいずれにおいても、勤務時間や勤務日をある程度固定した状態で働けます。そのため、ワークライフバランスがとりやすいでしょう。また、収入面においても、常勤医より定期非常勤・スポットのほうが比較的報酬が高い傾向です。

一方で、安定的に稼げるとはいえないのがデメリットのひとつです。また、福利厚生や手当が少なく、確定申告などの事務作業が増える点も難点です。

上記のような、フリーランスのメリット・デメリットの両方を考えても、より高い報酬を得たい方や、自由な働き方をしていきたい方にとっては向いているでしょう。しかし、収入を安定させたい方や、福利厚生のある環境で働きたいと考える方にとっては適さない場合があります。

とはいえ、自分がフリーランスの医師に適しているか、判断が難しい方もいるかもしれません。そんな方は「メディカルジョブ」を利用してみてはいかがでしょうか。

メディカルジョブは、転職希望者のニーズをしっかりヒアリングした上で希望の転職先・アルバイト先を提案するサービスです。転職するか迷っている方は、転職エージェントにご相談いただくことで、さまざまなアドバイスが受けられます。その結果、今後の方向性が定まるきっかけになるかもしれません。今後のキャリア設計や転職でお困りの方は、ぜひメディカルジョブを活用してみてください。

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