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医師のキャリアプランの考え方!年代別のポイントをわかりやすく解説

医師のキャリアプランは簡単に決められるものではありません。年代や環境に応じて、柔軟な見直し・修正が必要です。将来の働き方や生き方に大きく影響するので、早いうちから考えておくとよいでしょう。

今回は医師のキャリアプランの考え方と、年代別のポイントをわかりやすく解説。また、医師のキャリアプランにおける選択肢についても紹介します。

医師におけるキャリアプランの重要性

医師がキャリアプランを考えることは、以下2つの理由から重要です。

  • キャリアの方向性を選択するため
  • 自分の理想の働き方を実現するため

はじめに、これらの理由の詳細から確認します。

キャリアの方向性を選択するため

キャリアの方向性の選択とは「自分がどのような医師になりたいか」「どの分野に深く関与したいのか」を意味します。

具体的には、臨床医か、研究医か。さらに、病院に勤務し続けるか、開業するか。スペシャリストを目指すのかジェネラリストを目指すのか。また、教育分野に携わったり、企業に所属したりする道もあります。

このように、医師のキャリアにはさまざまな方向性が考えられますが、それぞれに必要なスキルや資格・経験・時間・費用などが異なります。

そこでキャリアの方向性を明確にした上で、どのように専門性を深めるか、求められる臨床経験を積むかを検討していきましょう。

自分の理想の働き方を実現するため

キャリアの方向性と併せて、自分の理想の働き方を実現するための道筋も考えます。キャリアプランを効率的に実現するための働き方を計画することも、1つの方法です。

それ以外にも、勤務形態(常勤・非常勤)や勤務先、収入や待遇、ワークライフバランスなど、さまざまな働き方の要素があるので、理想の働き方を包括的に考えるとよいでしょう。

特に、将来的に出産・子育てを希望する方は、このようなライフイベントを考慮した上で、無理なく対応できる働き方を目指してください。

医師のキャリアプランの考え方

医師のキャリアプランを考える際は、以下の2点がポイントとなります。

  • 自分のキャリアの最終的な目標を設定する
  • 年代別に達成すべき目標を設定する

キャリアの最終的な目標を設定する

キャリアプランを考える際ははじめに、キャリアの最終的な目標(ゴール)を設定します。目標(ゴール)がないと、そこに至る道筋・働き方が計画できないためです。具体的なゴールの例は以下の通りです。

  • 専門分野を可能な限り、極めたい
  • クリニックを開業したい
  • 多くの(医師)後輩を育てたい
  • 医療に関連するビジネスに携わりたい
  • 国内にとらわれず国際的に活動したい
  • 研究を深めたい など

なお、キャリアを重ねるにつれて、目標が変わるケースも少なくありません。その度にキャリアプランは、柔軟に見直し・修正していきましょう。

年代別に達成すべき目標を設定する

医師のキャリアプランは長期に渡ります。そこで、最終的な目標(ゴール)に至るまでの、小さな目標を達成するとよいでしょう。

具体的には、医師のキャリアがスタートする20代から、各年代別に達成すべき目標を設定します。キャリアの各ステージで何を達成すべきかを明確にすることで、キャリアの管理がしやすくなり、 モチベーションを維持することが期待できます。

【年代別】医師のキャリアプラン

ここからは、医師のキャリアプランについて20〜50代の年齢別で解説します。

各年代で達成すべき目標は個々人で異なりますが、ここでは一般的な臨床医のキャリアプランの例を見ていきましょう。

20代

20代は、基本的な医療知識と技術を習得する時期ということができます。

具体的には、大学で6年間学び、卒業後は初期臨床研修を2年間受け、その後は専門医取得を目指します。もちろん専門医取得だけでなく、民間病院で働いたり、自由診療領域(美容医療)の方面に進んだりする道もあります。

いずれにせよ、現場経験によって価値観や考え方が変わり、当初のキャリア設計が大きく変化する可能性もあります。自らの適性を見極めつつ、新たなキャリアプランを熟考してください。

30代

30代は、専門分野の知見が深まる時期です。医師としてある程度の経験の蓄積があるため、30代半ば以降からキャリアチェンジを考える人も増えてきます。

具体的には、大学病院へ転職してより専門性を深めたり、クリニックで働いて開業の知見を得たりなど、目的に合わせたさまざまな転職先が考えられるでしょう。

なお、30代は結婚・出産・育児など、大きなライフイベントに直面する医師も少なくありません。仕事とプライベートで非常に多忙となる可能性も考えられるため、無理のない働き方や環境を選択してください。

40代

40代は医局に所属し続けるかを決める、1つの節目です。今後医局内でどのようなポストを目指すか、どの程度活躍できるかを踏まえ、民間病院への転職も選択肢となります。

経験を積んだ40代医師は頼もしい存在のため、キャリアチェンジに際しては、現在よりも好条件の求人を積極的に探すとよいでしょう。

なお、開業や転科を検討する方は、40代のうちに決断することがベターです。

50代

50代は、キャリアの最終的な目標(ゴール)に近づく時期です。勤務医の方は、組織においてそれなりのポジションと役割を与えられ、後継者の育成・指導もミッションとなっています。

また、クリニックを新規開業したり、実家のクリニックを継承したりする方もいることでしょう。あるいはワークライフバランスを考えて、介護老人保健施設・特養などに転職するケースもあります。

この時期からの大幅なキャリアチェンジ・キャリアアップは困難なケースもありますが、部長職・院長職の求人が出るケースもあるため、希望する方はこまめに求人をチェックしてください。

医師のキャリアプランにおける選択肢

医師のキャリアプランには、多様な選択肢があります。

ここでは医師が選択できる具体的なキャリアと、それぞれの特徴を確認しましょう。

臨床医

臨床医は、直接患者の診療を行う医師です。医師の中でも最も一般的なキャリアで、豊富な勤務先があります。

具体的には大学病院、民間病院、クリニック、各種施設などです。あるいは使命感を持って、国内の医療過疎地や海外で働く方もいます。

患者と直接関わり、医学的知識や技術を蓄積することができますが、一方で選んだ診療科・職場によっては長時間勤務や当直やオンコールが多い、ワークライフバランスが取りづらいなどの悩みが生じるケースもあります。

研究医

研究医は、医学の研究に従事する医師です。大学の医学部などで、新しい医学的知見や治療法を開発することが主な仕事となります。

具体的には、臨床現場に関わりながら研究を続ける「臨床研究医」と、臨床から離れて研究に注力する「基礎研究医」があります。

自らの研究が医療の発展に大きく寄与する可能性がある点は大きなやりがいですが、研究競争の激しさや資金調達、研究報告・発表が負担やプレッシャーになるケースもあります。

開業医

開業医は、自分のクリニックを開設・経営する医師です。臨床医でありつつ経営者でもあるという立場で、自身が思い描く医療を提供することができます。

働き方・診察時間・休日など、職場環境を自由に設定できる点も大きな利点です。一方、開業には経営に関する知識やノウハウも必要で、経営リスクを負うことを負わなければなりません。

その他の働き方

医師のキャリアプランには、臨床医・研究医・開業医以外にも以下のような選択肢があります。

  • 産業医
    企業に常駐あるいは嘱託されて、働く人の健康をサポートする医師です。ワークライフバランスの保ちやすい環境で働きながら、従業員の退職率・休職率の低下に寄与することができます。ただし、臨床の現場から離れてしまう点は留意しましょう。

 

  • メディカルドクター
    製薬会社に所属して、新薬開発・治験に関する資料作成・医学的観点からのアドバイス・安全性情報管理などに携わる医師です。当直やオンコールがなく、在宅勤務が可能なケースもありますが、採用に際しては特定の専門知識や高い英語力が求められるケースがあります。

 

  • 健診・検診センターの医師
    健診・検診センターで受診者の健康診断・検査などを実施する医師です。問診・聴診・診断や検査の結果説明、レポート作成などを実施します。予防医療の知見が深められるほか、夜勤・当直・オンコールなどがなく、ワークライフバランスを維持して働きやすい反面、業務において多くの事務作業が発生するケースもあります。

まとめ

医師がキャリアプランを考える際は、どのような医師になりたいか、どのように働きたいかを明確にすることが大切です。

キャリアプランは一度決めたからといって固定されるものではありません。年代や環境の変化に合わせて柔軟に見直し・修正してください。

医師のキャリアには、臨床医・研究医・開業医など多様な選択肢がありますが、それぞれにメリットやデメリットがあります。自分に適したキャリアを見極めるためには、早いうちからキャリアの方向性や目標を設定し、年代別に達成すべき目標を設定することがおすすめです。

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20代医師の年収はどれくらい?性別、診療科ごとの勤務医の平均年収を解説

高収入な職業といわれる医師。しかし、20代のうちは思うような収入が得られず、転職をしようか悩んでいる医師もいるのではないでしょうか。

ここでは、20代医師の平均年収を解説します。また、20代医師の年収が低い理由や、その後のキャリアアップについても解説していきます。

キャリアアップや転職を考えている人は、この記事を読んで自身のキャリアプランを立てる際の参考にしてください。

20代医者の平均年収はどれくらい?

20代医師の平均年収はいくらになるのでしょうか。

厚生労働省が公表している「賃金構造基本統計調査(令和4年度)」によると、20代医師全体の平均年収は約462万円です。

男女別でみると男性医師は約511万円、女性医師は458万円となっています。

医師の年収は診療科、勤務形態などによって大きく変わりますが、20代医師の場合は研修医として働く期間が長くなるため、平均してみると年収が低くなる傾向にあります。

次に診療科や年齢によって、年収がどのくらい変わるかを解説していきます。

【診療科別】勤務医の平均年収の違い

独立行政法人 労働政策研究・研修機構が行った、「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、診療科別の平均年収は下表の通りです。

診療科 平均年収
脳神経外科 約1,480万円
産科・婦人科 約1,466万円
外科 約1,374万円
麻酔科 約1,355万円
整形外科 約1,290万円
呼吸器科・消化器科・循環器科 約1,267万円
内科 約1,247万円
精神科 約1,230万円
救急科 約1,215万円
放射線科 約1,103万円
眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科 約1,079万円

参考:独立行政法人 労働政策研究・研修機構|勤務医の就労実態と意識に関する調査

20代だけではなく全年齢の平均年収ではありますが、平均年収の高い診療科は脳神経外科や産科・婦人科、外科などが挙げられます。

外科や産科・婦人科は手術など一刻を争う施術が多いことから、年収が高めに設定されています。そのため、20代の医師でも高収入が目指せる科であることが予想できます。

年収が比較的低い眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科においては、手術や緊急対応の少なさから年収が低くなっていると考えられます。

しかし、同じ診療科でも勤務形態や勤務地によっては年収に差が出る可能性があります。キャリアアップで転科を考えている場合は、勤務形態や勤務地も含めて検討するとよいでしょう。

【年齢別】勤務医の平均年収の違い

医者の年収は、年齢によっても異なります。

厚生労働省が公表している「賃金構造基本統計調査(令和4年度)」をもとに、勤務医の年齢別の年収を算出しました。

年齢 年収(男性) 年収(女性)
~24歳 約475万円 約421万円
25~29歳 約777万円 約666万円
30~34歳 約1,241万円 約1,084万円
35~39歳 約2,099万円 約2,083万円
40~44歳 約2,661万円 約2,116万円
45~49歳 約3,423万円 約2,839万円
50~54歳 約3,405万円 約3,426万円
55~59歳 約3,466万円 約2,571万円
60~64歳 約3,467万円 約3,631万円
65~69歳 約3,093万円 約1,586万円

参考:厚生労働省|賃金構造基本統計調査(令和4年度)
*「規定内給与額×12ヶ月+年間賞与・その他特別給与額」で算出

医学部を卒業するのは早くて24歳で、卒業後は研修医として2年間勤務します。その間の年収は、男女ともに400万円台で、医師の中では年収が低い時期です。

しかし、研修期間を終え、専門領域を学ぶ専攻医になる20代後半からは年収が上昇します。

また、30代以降になると専門医資格を取得し、自分の専門領域で活躍できるようになるため、年収が1,000万円を超えてくる人もいます。

30代後半からは役職に就いたり、開業したりする医師が増えるため、男女ともに年収が大幅に増える傾向です。しかし、女性の場合は結婚や出産といったライフステージの変化の影響が大きく、男性よりも500万円ほど年収が低くなっています。

このように、医者の年収は、年齢によって大きく変化します。20代の頃は年収が低いと感じるかもしれませんが、経験と実績を積むことで将来的には高収入を得られる可能性が高くなります。しかし、年収だけでなく、やりがいやワークライフバランスも考え、自身のキャリアプランを立てていきましょう。

20代医者の年収が低い理由

20代医者の年収が低い理由は、主に以下の2つです。

  • 研修医や専攻医としての勤務期間が長いこと
  • 医者としてのキャリアが確立されていないこと

医師は医学部を卒業後、2年間は研修医として勤務します。この間は、病院によって異なりますが、月収約30万円から40万円で、医師の中でも低めの給与に設定されています。また、研修医期間はアルバイトが禁止されているため、副収入を増やすことができず、年収が低くなる傾向にあります。20代後半になると収入アップが見込めますが、専門医取得に時間を使うためアルバイトができなかったり、当直やオンコールの対応が増えてしまったりと副収入を得るための時間が少ないことも年収が低くなる要因と考えられます。

医師はさまざまな経験を積むことや、専門医資格を取得することで年収が上がっていきます。しかし、20代の医師はまだ医師免許を取得したばかりで、経験や専門医としての臨床経験が不足しているため、年収アップが難しいとされています。また、資格の取得も30代近くになってから取得することが多いので、20代の年収に影響を与えることが少ないのも年収が低い要因といえるでしょう。

20代医者のこれからのキャリアプランの考え方

20代医師の年収が低い理由を見てきましたが、それは一時的なものであり、将来的には高収入になる可能性が高いです。

しかし、20代以降で年収を上げるためにもキャリアプランを考えておくことが大切になります。例えば、以下のようなキャリアプランが例として挙げられます。

  • 20代後半:医師としての経験を積む・専門医資格の勉強に励む
  • 30代:専門領域のスキルを磨きながら、若手の指導やマネジメントの経験も積む
  • 40代:さらなる年収アップのために転職か開業かを考える
  • 50代:慣れた勤務地で定年まで勤めあげる、もしくはセカンドキャリアを考える

特に20代は今後の医師人生において、大切な土台をつくる時期です。将来、医師としてどうなりたいか目標を考えておくとよいでしょう。

将来の目標とは、例えば、開業医になる、家業の病院を継ぐ、役職に就く、などが挙げられます。将来どうなっていたいかを想像できない場合は、周りの先輩に聞いてみるもの一つの手です。

自分にとって理想のキャリアを考えてみましょう。

20代医者のキャリアの選択肢

今後のキャリアプランを考える際には、医師としての選択肢を知ることも重要です。医師としてのキャリアは主に以下の3が挙げられます。

  • 勤務医
  • 開業医
  • 産業医

それぞれの働き方やメリット・デメリットを紹介します。将来のキャリアプランを考える際の参考にしてください。

勤務医

勤務医とは、病院やクリニックなどの医療施設に勤務する医師のことです。勤務先には、大学病院や公立病院、民間病院などがあります。

勤務医として働くメリット・デメリットは以下の通りです。

【勤務医として働くメリット】

  • 専門医資格の取得や研究活動に有利な環境が整っている場合が多い
  • 多くの症例や難症例に触れることができる
  • 先輩医師や同僚医師からの指導や助言を受けることができる
  • 診療を支援するさまざまなスタッフと関わることができる
  • 病院の規模や地域によっては、福利厚生や待遇が充実している場合がある

【勤務医として働くデメリット】

  • 勤務時間が不規則で長くなる場合が多い
  • 開業医と比べて年収が低いケースが多い
  • 働き方や診療方針に制限がある場合がある

勤務医は専門性や経験を高めることができる一方で、労働環境や収入に不満を感じることもあります。勤務医として働く場合は、自分の目標やライフスタイルに合った病院を選ぶことが重要です。

開業医

開業医とは、自分で病院や診療所を開設し、経営者兼医師として働く医師のことです。医院の開業には、自分で地域を選んで開業する「新規開業」と、親族や第三者から経営を引き継ぐ「継承開業」の主に2つのパターンがあります。

開業医になるメリット・デメリットは以下の通りです。

【開業医として働くメリット】

  • 働き方や診療方針を比較的自由に決めることができる
  • 勤務医に比べて年収が高くなる可能性がある
  • 地域医療に貢献できる
  • 患者との信頼関係を築きやすい

【開業医として働くデメリット】

  • 経営や医療行為に関する責任やリスクが大きい
  • 開業資金や設備投資が必要
  • 人材の確保や教育が難しい場合がある
  • 大学病院などと比べて対応できる症例の幅が狭くなる場合がある

開業医は、ワークライフバランスを考えて働くことができますが、経営や設備投資などの費用面での課題も多いです。勤務医と比べて、大規模な手術や難しい症例を扱うケースが少ないため、スキルアップが難しいのもデメリットといえるでしょう。

産業医

産業医とは、企業や団体に所属し、従業員の健康管理や健康相談を行う医師のことです。産業医になるには医師免許ほか、日本医師会の産業医研修を受講する必要があります。

産業医は従業員の心身の健康を保持、増進するのが主な役割のため、勤務医や開業医とは違い、問診としての指導や助言が多くなります。

産業医として働くメリット・デメリットは以下が挙げられます。

【産業医として働くメリット】

  • 勤務時間や休日が規則的
  • 給与や福利厚生が充実している場合が多い
  • 予防医学や産業医学の知識やスキルを身につけることができる
  • 勤務企業が変わっても馴染みやすい

【産業医として働くデメリット】

  • 臨床とは違う知識を身につける必要がある
  • 雇用が不安定になりやすい

産業医は安定した勤務環境や待遇を得ることができますが、臨床医とは違った知識が必要になるため、知識やスキルを得るのに時間がかかる点がデメリットとして挙げられます。

また、雇用が不安定になりやすいため、専業産業医として働くことが難しい可能性があります。複数の企業で産業医を兼任する必要も出てくるでしょう。

まとめ

20代医師の平均年収や年収が低い理由、キャリアプランの考え方について解説しました。

20代医師は、研修医期間があることや医師としての経験が少ないことが理由で年収が低くなる傾向です。年齢とともに増加する傾向が高いですが、さらなる年収アップのためには将来的なキャリアプランを考えておく必要があります。

医師としてのキャリアには、勤務医、開業医、産業医などはさまざまな選択肢があります。自分にあった働き方を考え、キャリアプランを構築していきましょう。

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女性医師におすすめの診療科は?忙しくない、楽な科はある?働きやすさを解説

診療科の選択は、女性医師のキャリアやライフスタイルに大きな影響を与えます。特に、忙しさや体力的な負担を軽減したい方、ワークライフバランスを保ちたい方は「楽な科への転科」を検討してもよいでしょう。 今回は、女性医師の働き方におけるよくある悩み・女性医師におすすめの診療科・女性医師がワークライフバランスを保ちながら働く方法について解説します。

女性医師の働き方におけるよくある悩み

女性医師の働き方におけるよくある悩みには、以下のようなものが挙げられます。

  • ワークライフバランスが取れない
  • ライフプランを設計しにくい
  • 勤務時間が長く体力的な負担が大きい

上記は性別に関係なく聞かれる悩みですが、男性医師とは異なる事情が関係するケースもあるので、詳しく見ていきましょう。

ワークライフバランスが取れない

ワークライフバランスとは、仕事と生活のバランスを意味します。

ワークライフバランスがうまく取れないと、仕事と生活のバランスが崩れ、心身のストレスや不満を高める原因となる可能性があります。

具体的には「家事や家族との時間がない」「子どもの成長に寄り添う充分な時間が取れない」「子どもの学校行事などに参加できない」「夜勤や当直などの不規則な勤務形態によって睡眠不足や疲労が取れない」などが挙げられます。

ライフプランを設計しにくい

ライフプランとは、人生における目標や計画を意味します。医師という職業は、長い勉強期間や研修期間が必要なため、ライフプランが設計しにくいと感じる方も少なくありません。

具体的に、医師は大学に通う期間が6年間あるほか、最低2年の臨床研修、専門医研修プログラムなどを受けるため、医師のキャリアのスタートは30歳前後となります。

そのため、特に結婚や出産のタイミングを見極めることが困難な場合があります。

勤務時間が長く体力的な負担が大きい

医師の若手時代は、勤務時間が長く、体力的な負担が大きくなるケースも珍しくありません。患者の健康や命に関わる重大な責任が伴うため、精神的なプレッシャーや緊張感が高い場合もあります。

特に、夜勤・当直・オンコール対応が必要な場合は、一層体力的な負担が大きくなる可能性があります。

なお、医師の体力的な負担については、担当する診療科によって大きく左右されるケースがあります。

女性医師が忙しくない、楽な科はある?

忙しさにはさまざまな尺度があり、ひとまとめにすることは難しいですが「女性医師が多く、比較的忙しくないとされる診療科」はあります。

「女性医師キャリア支援モデル普及推進事業」(厚生労働省)によると「皮膚科、眼科、麻酔科、小児科、産婦人科」の順で、女性医師の割合が高くなっています。

これらの診療科には、女性医師にとって働きやすい要素があるため「比較的忙しくない診療科を選びたい」という女性医師におすすめです。

関連記事:医師が忙しくない科はある?楽な診療科は何科?年収との関係性も解説

女性医師におすすめの診療科5選

ここでは、女性医師にとって比較的働きやすいと考えられる、以下5つの診療科についてご紹介します。

  • 皮膚科
  • 眼科
  • 麻酔科
  • 小児科
  • 産婦人科

ワークライフバランスを保ちつつ働きたいと考える女性医師は、ぜひ参考にしてください。

皮膚科

「女性医師キャリア支援モデル普及推進事業」(厚生労働省)によると皮膚科は、女性医師の割合が46.1%と最も高い診療科です。

皮膚科の働き方は、外来診療が中心で、手術や緊急対応が少ないという特徴があります。夜勤・当直がないケースも多いため、ワークライフバランスを保ちながら働きやすい診療科と言えるでしょう。

働きやすさと引き換えに、皮膚科医の年収は低い傾向ですが、 美容皮膚科を選択すれば、高収入も期待できます。

眼科

眼科の働き方は、手術などはあるものの白内障や緑内障などの比較的短時間で終わるものが多いです。

また、基本的にオンコール対応などもなく、体力的に負担が少ない特徴があります。

「女性医師の勤務環境の現況に関する調査報告書」(日本医師会男女共同参画委員会/日本医師会女性医師支援センター)によれば、1週間の実勤務時間が週48時間以内に収まっている割合が、眼科は2位(72%)という結果になっており、無理のない働き方が期待できます。

麻酔科

麻酔科の働き方は、手術室や集中治療室などで麻酔や疼痛管理などを実施します。患者との接触時間も限定的で、基本的に主治医とはならないため、精神的なストレスが少なめです。

なお、麻酔科医は、慢性的に麻酔科医が不足し、需要が高いことからフリーランス向きでもあります。フリーランスになれば、勤務時間のより自由なコントロールも期待できます。

小児科

小児科の働き方は、外来診療が中心で、予防接種や健診なども実施します。

子どもの成長や発達を見守ることができる環境のため、子どもが好きな方にとっては、特別なやりがいや達成感を感じることができます。

また、子育て経験がある女性医師は、保護者の気持ちにも理解があるため、コミュニケーションがスムーズに取りやすく、働きやすさを感じるケースもあるでしょう。

産婦人科

産婦人科の働き方は、女性の妊娠・出産・産後に関わり、婦人科の疾患を診断・治療します。女性の患者が診ることになるため、女性医師のニーズが高く、働きやすさを感じやすい環境といえるでしょう。

また、女性医師の出産・育児に肯定的な医療機関も多いと考えられます。

さらにワークライフバランスを重視したい方は、オンコール・当直・残業などがない不妊治療専門クリニックや、婦人科クリニックを選ぶとよいでしょう。

女性医師がワークライフバランスを保ちながら働く方法

ワークライフバランスを保ちながら働くには、診療科の選択だけでなく、働き方そのものにも注目するとよいでしょう。女性医師がワークライフバランスを保ちながら働く方法には、主に以下の3つがあります。

  • 転職をする
  • 働き方を変える
  • 転科する

それぞれの方法で難易度やメリット・デメリットが異なりますので、詳しく見ていきましょう。

転職をする

医師には、病院以外にも勤務先が豊富にあります。

一例としては産業医、公衆衛生医、老健施設、保険会社、官公庁、研究施設などです。この他、メディカルドクターとして新薬開発に携わったり、医療書籍やWeb記事の監修をしたり、オンライン診療で働く方法もあります。

勤務時間がしっかり決まっていたり、緊急性の高い手術・診察などがないため、プライベートの時間が確保しやすくなったり、働きやすさの向上が期待できるでしょう。

ただし、病院勤務と比較して働き方が大きく変わるケースがある点には留意ください。

働き方を変える

医師は、正規雇用以外にも、アルバイト・非常勤・フリーランスなど非正規雇用の働き方も可能です。このような働き方では、ほぼ時間外労働などもありません。例えば子育てなどをしながらでも、無理なく働くことが期待できます。

なお、正規雇用のまま時短勤務が可能なケースもあるため、非正規雇用に抵抗がある方は、勤務する職場に相談すると良いでしょう。

自らの専門性を生かして働ける反面、 雇用や収入が不安定になる可能性がある点には留意ください。

転科する

心身の負担が大きい・ 労働時間が長い診療科で働いている場合、転科によって解決できる可能性があります。「外来診療中心で手術が少ない科」「オンコールや当直があまり発生しない科」などを選ぶことで、働きやすさの実感が期待できます。

ただし、自分の専門とは無関係の診療科に移る場合、新しい知識や技術を身につけることが必要で、かえって負担が増すリスクもゼロではありません。

また、転科先の職場環境や人間関係が合わないリスクがある点にも留意ください。

まとめ

女性医師はキャリアを重ねる上で、ワークライフバランス・ライフプラン・体力的な負担などの課題に直面する可能性があります。 その際は、ご自身に合った働き方や診療科にシフトすることも検討するとよいでしょう。

なお、転職やアルバイト・フリーランスでの働き方を成功させるためには、求人選びが極めて重要です。ご自身では探せる情報に限界があるため、医療向けエージェントなどのプロに頼むことが最善策です。

「メディカルジョブ」は、医療業界に特化した転職情報サイトです。ご希望に沿った魅力的な求人をご紹介いたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

女性医師のキャリアプランと働き方を解説!働きやすい科は?

「キャリアも大切だけど、ライフプランも大切にしたい」「ワークライフバランスを重視して無理なく働きたい」そんな悩みを持つ女性医師も多いことでしょう。そこで今回は、女性医師のキャリアプランと働き方について詳しく紹介。女性医師に関わるさまざまなデータほか、女性医師が抱える悩み・キャリアプランの考え方・働き方の選択肢・働きやすい診療科について解説しました。

女性医師の割合

「令和2(2020)年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」(厚生労働省)によると、2020年末時点での日本の医師数は約32万3,700人で、女性医師の数は約7万3,822人となっています。

つまり、女性医師の割合は、全体の約23%となります。

まだまだ男性医師の割合が高いものの、女性医師数は年々増加傾向を示しており、2022年は2018年と比較して約5,500人の増加となりました。

女性医師の就業率

引用:厚生労働省|女性医師に関する現状と国における支援策について

日本の女性医師の就業率は、20代〜30代にかけて下がる傾向でした。これは、出産・子育てのために休職・退職することが主な理由です。

かつて、日本の女性の就業率を表にすると、M字カーブを描く形で「子育て期間中に一時的に就業から離れ、その後再び就業する」というパターンが示されていました。

しかし、女性の社会進出を支えるための制度やサポートが拡充してきたため、現在はM字カーブが比較的解消されています。なお、M字カーブの描き方には地域差がある点にもご留意ください。

女性医師の年収

「令和4年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)によれば、女性医師の年収は平均約1,138万円でした。

「令和4年分 民間給与実態統計調査」(国税庁)によれば、女性の給与所得者の平均年収は314万円で、その3倍近い年収を得ていることが分かります。

一方、男性医師の年収の平均は約1,514万円で、女性医師の年収は380万円ほど低い結果となっています。

女性医師が抱える悩み

女性医師は、キャリアを積む上で以下のような悩みに直面するケースも少なくありません。

  • ワークライフバランスが取りづらい
  • ライフプランが設計しにくい
  • 勤務時間が長く体力的な負担が大きい

ワークライフバランスが取りづらい

「女性医師の勤務環境の現況に関する調査報告書」(日本医師会男女共同参画委員会・日本医師会女性医師支援センター)の女性医師の悩みの調査では、「プライベートな時間がない」との回答が2番目に多く見られました。

また、同報告書で子育ての最中の女性医師を対象に実施した、家庭・育児に関する悩みについては「家事・育児・介護と仕事の両立」をあげた方は90.6%にも上りました。

このように、ワークライフバランスが取りづらさは、女性医師の抱える大きな悩みの1つとなっています。

ライフプランが設計しにくい

「女性医師の勤務環境の現況に関する調査報告書」(日本医師会男女共同参画委員会・日本医師会女性医師支援センター)の女性医師の悩みの調査では、「キャリア形成・スキルアップ」の回答がトップとなりました。

この悩みは特に30代〜40代で多いため、妊娠・出産のタイミングなども含め、ライフプランやキャリアパスの設計に悩む時期であることが推察されます。

勤務時間が長く体力的な負担が大きい

「女性医師の勤務環境の現況に関する調査報告書」(日本医師会男女共同参画委員会・日本医師会女性医師支援センター)の女性医師の悩みの調査では、「業務量・体力面・評価等」に悩む方は、年齢を重ねるごとに増加する傾向でした。

具体的に「業務量・体力面・評価等」に悩む女性医師は、40代〜50代が最多となっています。

ただし、忙しい診療科・勤務時間が長くオンコール対応や当直がある診療科などは、若くても、体力的な負担に悩むケースがあると考えられます。

女性医師のキャリアプランの考え方

女性医師としてキャリアプランを考える際は、以下の2点を意識してください。

  • 優先順位を決める
  • ライフステージに合った働き方をする

優先順位を決める

女性医師が自身のキャリアプランを考えるとき、ライフイベントとキャリアにおいて何を優先するかを決めることが大切です。

具体的には「医師としてキャリアを優先したい」「専門性を高めたい」「出産や子育てなどもして自分らしく無理なく働きたい」など、さまざまなパターンが考えられます。

自身の価値観を明確にし、 優先順位を決めておくことで、 後々に後悔しないキャリアプランの設計が期待できます。

ライフステージに合った働き方をする

女性医師のキャリアプランでは、ライフステージに合った働き方を選択することも重要となります。

例えば、出産後の復職では時短勤務ほか、非常勤やスポットといった柔軟な働き方を選ぶという選択肢もあります。

また、年齢を重ねて体力的な厳しさを感じた場合などは、勤務体制や働く環境を変えることも検討するとよいでしょう。

女性医師の働き方の選択肢

女性医師の働き方には、以下のような選択肢があります。

働き方 概要
常勤 1日8時間で週5日以上勤務(週40時間以上勤務)する働き方
非常勤 常勤に当てはまらない働き方
アルバイト 非常勤に該当する働き方。副業的な働き方を指すケースもある

常勤

常勤とは、特定の医療機関でフルタイム勤務する働き方です。収入の安定と、着実にキャリアを積み上げられる点がメリットとなります。

一方、非常勤と比較して、勤務時間が長く、仕事と家庭の両立が難しいケースのある点がデメリットです。

ワークライフバランスを重視したい女性医師は、出産育児に関連する制度が充実する職場・オンコール対応や残業が少ない職場などを選択しましょう。

非常勤

非常勤とは、フルタイム未満の労働時間の働き方です。曜日・勤務時間が固定された求人であれば、キャリアも継続しつつ、 安定した収入も期待できる点が メリットとなります。

一方、常勤よりも福利厚生や手当が充実 していなかったり、昇給・賞与がなかったりするケースがある点はデメリットです。

仕事のオンオフは つけやすいため、家事と育児を両立したい・プライベートな時間をしっかり確保したいという方におすすめです。

アルバイト

アルバイトは非常勤の働き方の1つです。空き時間を利用して単発で働いたり、複数の職場を掛け持ちしたりすることも可能です。

職場の人間関係に悩むこともあまりなく、自分の働き方を構築し、短期間で多様な経験を積むことができる点はメリットといえるでしょう。

一方、スポット的な働き方の場合は、定期的に求人を探さなければなりません。人気の求人はすぐに打ち切られるため、良い求人を探すのに苦労する可能性がある点はデメリットです。

女性医師が働きやすい診療科

厚生労働省の「女性医師キャリア支援モデル普及推進事業」を見ると、以下の5科は、女性医師の割合が高いです。

  • 皮膚科
  • 眼科
  • 麻酔科
  • 小児科
  • 産婦人科

実際にこれらの診療科には、女性医師が働きやすい要素があるため、1つずつ確認していきましょう。

皮膚科

皮膚科は一般的に、外来診療が主で、手術が必要な場合でも大部分は日帰りです。診療時間が固定されたクリニックは、オンコール対応や到着などもありません。

加えて、自費診療をメインとする美容皮膚科であれば、 高収入も期待できます。

眼科

眼科は皮膚科と同じく、外来がメインで、手術が必要な場合も多くは日帰りです。

また、眼科は他の診療科と比較して勤務時間が短めの傾向です。

日本医師会男女共同参画委員会・日本医師会女性医師支援センターの「女性医師の勤務環境の現況に関する調査報告書」によれば、実勤務時間が週48時間以内に収まる割合で、眼科は2位(72%)でした。

麻酔科

麻酔科は、手術中の麻酔管理・疼痛管理がメインで、主治医となるケースはほぼありません。

また、近年では麻酔科医の拡充が進み、交代制のシフトで無理なく働ける環境が整備されていることから、オンオフが確保しやすいのも特徴です。

そのため心身にあまり負担をかけず、仕事とプライベートを両立した働き方が期待できます。

小児科

小児科は子どもの健康を見守ることがミッションの診療科です。

そのため、子どもが好きであれば 大きな達成感ややりがいを実感できる可能性があります。

女性医師の割合が高く、また付き添いの保護者も母親が多いため、 それも働きやすさにつながっている可能性が考えられます。

産婦人科

産婦人科は、妊娠・出産のみならず女性の生殖器系統の健康と病気、更年期障害、不妊治療など、広範な診断・治療に携わります。

女性のライブイベントに関わる診療科のため、やはり特別なやりがいや達成感を感じる方も少なくありません。

女性のライブイベントに関わる診療科という特徴から、女性医師の出産・育児に好意的な施設も多いと考えられます。

まとめ

女性医師は、ワークライフバランスが取りづらく、ライフプランが設計しにくい側面がある事は調査でも明らかになっています。

さらに、年齢を重ねることで、体力的な負担を感じる女性医師も増えてきます。

キャリアプランを考える際は、ご自身の中で優先順位を決める事はもちろん、働きやすい診療科を選ぶほか、ライフステージに合った働き方の実現も目指すとよいでしょう。

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病理医の年収は?年齢や勤務地別の年収や仕事内容を解説

病理医とは、患者から採取した細胞や組織を分析し、疾患の確定診断を行う医師のことです。Doctor of Doctors(医師のための医師)ともいわれ、医療現場に欠かせない存在ですが、一般的にあまり知られていない存在でもあります。

今回は病理医の平均年収について解説します。また、年収が低いといわれてしまう理由やさらに年収を上げる方法についても紹介します。

病理医になろうと考えている医師や転職を考えている病理医は、キャリアプランを考える際の参考にしてみてください。

病理医の平均年収

病理医とは、病気の原因や経過、予後などを組織や細胞のレベルで調べる医師のことです。病理医は、患者と直接対面することは少なく、病院の病理診断科や研究機関などで働いています。病理医は、病気の診断や治療の指針を提供する重要な役割を担っています。

では、病理医の平均年収はどのくらいなのでしょうか。

リクルートドクターズキャリアの調査によると、病理医の平均年収は約1,000~2,000万円とされています。男性は1,500万円~2,000万円未満の割合が全体の57%で、女性は1,000万円未満と1,000~1,500万円未満の割合が50%ずつとなっています。

医師全体の平均年収は、厚生労働省が毎年公表している「賃金構造基本統計調査(令和4年)」によると、約1,428万円です。

ここから、病理医の平均年収は医師全体の平均年収と同じくらいといえます。

参考:リクルートドクターズキャリア|病理診断科の年収事情
厚生労働省|賃金構造基本統計調査(令和4年)

【年齢別】病理医の平均年収

ここからは年齢別に病理医の年収を見ていきます。

リクルートドクターズキャリアの「病理診療科の年収事情」によると、以下のグラフのようになっています。

参考:リクルートドクターズキャリア|病理診療科の年収事情

年収1,000万円未満と回答している割合は、30代で33%、40代で50%です。病理医も他の診療科と同じで、経験を積んだ40代以降になると、年収が増加する傾向にあるようです。

50代以降は役職に就く医師も増えることから、年収も大幅にアップすることが予想できます。

病理医の年収も勤務形態や地域によって変動する可能性があるので、転職を検討している医師は、勤務地や勤務形態も、よく確認しておくとよいでしょう。

病理医の年収は低い?

病理医の年収は「低い」といわれることが多いのですが、果たして本当に低いのでしょうか。

病理医の平均年収は1,000万円~2,000万円となっています。臨床医の平均年収は、約1,428万円なので、病理医の年収は臨床医と比べても同程度といえるでしょう。

また、日本病理学会が作成する「目指せ病理医!」によると、「臨床医と比較して給料が低いということはありません。」と記載されています。

日本病理医学会によると、全医師のうち病理専門医の占める割合は0.76%で、かなり人数が少ないことがうかがえます。貴重な人材のため、年収アップも目指しやすいかもしれません。

年収は経験値や勤務地、勤務形態によって変わるため一概にはいえませんが、臨床医と比べても低くなることはなく、むしろ年収が高くなる傾向にあるのが現状といえるでしょう。

参考:リクルートドクターズキャリア|病理診断科の年収事情
厚生労働省|賃金構造基本統計調査(令和4年)
日本病理学会|目指せ 病理医!
 病理専門外来をもつ病院が少ない理由

病理医と他の診療科との平均年収の違い

病理医の年収を他の診療科と比較してみましょう。独立行政法人 労働政策研究・研修機構が行った、「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、診療科別の平均年収は下表の通りです。

診療科 年収
脳神経外科 約1,480万円
産科・婦人科 約1,466万円
外科 約1,374万円
麻酔科 約1,355万円
整形外科 約1,290万円
呼吸器科・消化器科・循環器科 約1,267万円
内科 約1,247万円
精神科 約1,230万円
救急科 約1,215万円
放射線科 約1,103万円
眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科 約1,079万円

参考:独立行政法人 労働政策研究・研修機構|勤務医の就労実態と意識に関する調査

手術の多い外科系の診療科や、当直やオンコールが多くなる産科・婦人科は年収が比較的高い診療科といえます。

一方で、病理医は平均年収が1,000万円~2,000万円と幅広いため、外科や産科・婦人科よりも高い年収になることも考えられます。

しかし、手術や当直が他の診療科に比べて少ない傾向にあるため、その分年収が低くなってしまう可能性もあります。しかし、病院規模や地域によって年収には幅があるので、手術がないからといって一概に年収が低くなるとはいえません。

病理医の仕事内容

病理医の年収について見てきましたが、病理医の仕事内容は具体的にどのようなものでしょうか。病理医の仕事内容は、大きく分けて以下のようなものがあります。

  • 組織診断(生検および手術材料)
  • 細胞診断
  • 病理解剖(剖検)

それぞれの仕事内容を詳しく紹介します。

組織診断(生検および手術材料)

組織診断とは、病気の診断や治療のために、生体から採取した組織や細胞を顕微鏡で観察し、病変の有無や性質を判断することです。組織診断は、手術で摘出された組織から行う場合と、内視鏡検査で取った組織や皮膚から行う検査の2種類があります。

病理医は、生検や手術材料を受け取り、顕微鏡で検査し、報告書を作成して、臨床医に結果を伝えることが主な仕事です。病理医の組織診断は、病気の診断や治療の指針を提供する重要な役割を担っています。

細胞診断

細胞診断とは、病変部の細胞からがん細胞などの異形細胞を探し出すことです。

例えば、子宮頸がんの発見のために子宮粘膜から採取した細胞を検査します。

細胞診断によって、病気の原因を洗い出すことで適切な治療を患者に施すことが可能になります。

病理解剖(剖検)

病理解剖(剖検)とは、病気で亡くなった患者の遺体を解剖し、臓器や組織、細胞を直接観察して、病気の原因や経過、死因などを詳しく調べることです。遺体の解剖は、遺族の許可を取ったのちに行います。

生前の治療がどのくらい正しかったのか、病気がどのくらい進行していたのか、治療効果はどのくらい出ていたのかを検証します。事故や犯罪がからむ法医解剖とは違い、今後の医学の発展に必要な仕事です。

参考:日本病理学会|病理診断について

病理医が年収を上げるには

病理医がさらに年収を上げるためには、どうすればよいのでしょうか。ここでは、以下の2つの方法をご紹介します。

  • アルバイトをする
  • 転職する

アルバイトをする

年収を上げるためには、アルバイトをするのがおすすめです。アルバイトとは数時間もしくは数日間、スポットで働くことを指します。

病理医のアルバイト求人に多いのは、非常勤求人です。非常勤求人が多い理由としては、病理科を持たない病院も多く存在することが挙げられます。

マイナビDOCOTRの求人情報を参考にすると、病理医のアルバイトの日給は7~10万円程度で設定されているケースが多いようです。

日給7万円のアルバイトを月20日稼働すると、月140万稼ぐことができます。これを1年間続けると、約1,680万円の収入が得られます。

医師全体の平均年収は約1,428万円といわれているので、勤務医の年収より200万円以上収入アップができる可能性があります。

しかし、病理医のアルバイトは先述したように非常勤が多く、雇用が不安定になりやすい点がデメリットといえます。収入を安定させるために、常勤の現場で働きながら、複数の現場をかけもちする必要があるかもしれません。

参考:マイナビDOCTOR|病理医とは?年収事情や仕事内容、病理医になる方法を徹底解説

転職をする

年収アップには転職もおすすめです。

病理医だけではなく医師全体にいえることですが、病院の規模や経営形態によって得られる年収が変わります。

労働政策研究・研修機構の「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、医療法人、個人(経営)、その他法人の順で平均年収が高く、いずれも平均年収は1,000万円を超える傾向にあります。

また、病理医不足に悩んでいる地域への転職も、年収アップにつながるでしょう。

転職を検討する際は、病院の経営形態や転職地域もよく確認して転職活動を行うのがおすすめです。

参考:独立行政法人 労働政策研究・研修機構|勤務医の就労実態と意識に関する調査

まとめ

この記事では、病理医の年収や仕事内容について、詳しく解説しました。

病理医は、病気の原因や治療の指針を明らかにするために、組織や細胞を観察する専門医です。病理医の年収は他の診療科と比べて低いというイメージがが、実際は働き方や地域によって、年収は大きく異なります。

病理医としての年収アップを考えているなら、アルバイトや転職がおすすめです。

納得のいく転職をするためにも転職エージェントの活用も検討してみましょう。おすすめの転職エージェントは、「メディカルジョブ」です。

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