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救急医の平均年収は?激務で年収が低い理由や働き方も解説

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緊急対応が迫られている患者の命を救う、重要な仕事をしている救急医。やりがいのある仕事ではありますが、実は平均年収は他の診療科に比べて低いというのが現状です。

なぜ救急医は年収が低いのでしょうか?この記事では、救急医の平均年収や激務の理由、働き方の種類などについて解説します。

救急医が年収を上げる方法も紹介しますので、年収アップを考えている医師の皆さんはぜひ参考にしてみてください。

救急医の平均年収は1,215万円

独立行政法人 労働政策研究・研修機構が発表した「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、救急医の平均年収は1,215.3万円です。

厚生労働省が公表している「令和3年度賃金構造基本統計調査」によると、医師全体の年収は1,378.3万円で、救急医の平均年収は160万ほど低い結果となっています。

救急医と他の診療科との平均年収の違いは?

救急科と他の診療科ではどのくらい年収に違いがあるのでしょうか。

独立行政法人 労働政策研究・研修機構が発表した「勤務医の就労実態と意識に関する調査」を基にすると、以下のような結果になります。

診療科 年収(万円)
脳神経外科 約1,480
産科・婦人科 約1,466
外科 約1,374
麻酔科 約1,335
整形外科 約1,290
呼吸器科・消化器科・循環器科 約1,267
内科 約1,247
精神科 約1,230
救急科 約1,215
放射線科 約1,103
眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科 約1,079

引用:独立行政法人 労働政策研究・研修機構|勤務医の就労実態と意識に関する調査

最も年収が高い診療科は脳神経外科で、救急科は下から3番目に平均年収が低い診療科になります。脳神経外科が高収入な理由は、手術を行うことも多く高度な技術と深い知識が求められるからです。また、手術によって拘束時間が長くなることから、年収は高くなる傾向にあります。

救急医の年収が低い理由は以下で詳しく説明します。

救急医はなぜ平均年収が低いのか

救急医は激務であるにも関わらず平均年収が低い理由は、救急科の医師の平均年齢が低いことが挙げられます。

厚生労働省が公表している「医師・歯科医師・薬剤師統計(2020年)」によると、救急科の平均年齢は41.8歳です。医師全体の平均年齢は50.1歳なので、約9歳若くなります。

救急科は日当直や時間外労働が多くなりやすい科です。そのため、体力に余裕のある若手の医師が多く活躍していることもあって、平均年収が低くなる傾向にあります。

また、救急医は、重症や死亡のリスクが高い患者を多く扱うため、自己研鑽に時間を割くことも多く、精神的、体力的にも疲れがたまりやすい診療科ともいえます。その結果、ワークライフバランスが取りやすい科へ転科する医師も多く、平均年収が上がりにくいと予想されます。

救急医が激務といわれる理由

救急医が激務といわれる理由は、救急医の働き方にあります。

独立行政法人労働政策研究・研修機構の「救急医の就労実態と意識に関する調査」によると、1週間ありの平均労働時間は54時間で、診療科全体の平均時間46.6時間を大幅に上回っています。ひっきりなしに来る急病患者や、一刻を争う患者の対応に追われるため、他の診療科に比べて労働時間が長くなる傾向にあります。

そのため、激務というイメージがついてしまうと推測できます。

救急医の働き方

救急医の働き方は、大きく分けて以下の4つに分類できます。

  • 病院前救急医療
  • ER型救急医療
  • 専門的集中治療
  • 災害医療

それぞれの働き方の特徴やメリット・デメリットは以下の表の通りです。

メリット デメリット
病院前救急医療
  • 現場での判断力や技術力が身につく
  • 救急医療の最前線で活躍できる
  • 勤務時間が不規則で長い
  • 精神的な負担が大きい
ER型救急医療
  • 幅広い知識や経験が必要でやりがいがある
  • チーム医療のスキルが向上する
  • シフト制で夜勤や休日出勤が多い
  • 患者の状態が急変するリスクが高い
専門的集中治療
  • 高度な医療技術や設備を使える
  • 患者の回復に貢献できる
  • 勤務時間が長い
  • 緊張感が高まり、精神的な負担が大きい
災害医療
  • 災害医療の専門知識や技能が身につく
  • 社会的な責任感や使命感が強い
  • 災害時には危険な環境で働くことになる
  • 災害の規模や種類によっては患者の治療ができないこともある

それぞれの働き方について詳しく見ていきましょう。

病院前救急医療

病院前救急医療とは、救急車やドクターヘリに乗って現場に出動し、患者の初期対応を行うことです。救急医は、現場での患者の治療のほか、搬送先の決定などを行います。

病院前救急医療の現場で働くメリットは、現場での判断力や技術力が身につくことです。救急医は、様々な状況や症状に対応しなければなりません。そのため、幅広い知識や経験が必要になります。また、救急医療の最前線で活躍できることも、やりがいの一つといえるでしょう。

病院前救急医療の現場で働くデメリットは、勤務時間が不規則で長いことです。救急車は、24時間体制で出動するため、夜勤や休日出勤が多くなります。また、現場での緊張感や責任感も大きく、精神的な負担が大きいことも挙げられます。

ER型救急医療

ER型救急医療とは、救急外来に救急車で搬送された患者や自力で来院した患者の初期対応を担います。

ER型救急医療の現場で働くメリットは、幅広い知識や経験が身につくことです。救急医は、様々な年齢や性別、疾患や怪我の患者に対応しなければなりません。そのため、他の医師よりも多くの症例に触れることができます。

また、看護師や放射線技師、薬剤師などと協力して患者の治療にあたることから、チーム医療のスキルが向上することもメリットの一つに上げられるでしょう。

ER型救急医療で働くデメリットは、シフト制で夜勤や休日出勤が多いことです。救急外来は、24時間休まず患者を受け入れるため、救急医も常に待機する必要があります。また、患者の命を左右する判断を迫られることも多く、ストレスやプレッシャーが大きい現場であることもデメリットとしてあげられるでしょう。

専門的集中治療

専門的集中治療とは、重症の救急患者の対応を行うことです。

専門的集中治療を行う救急医は、集中治療室や手術室で呼吸器や循環器などの生命維持装置を使って、患者の生命活動を支えます。専門的集中治療を行う救急医は、命に関わる重要な判断や処置を行わなければなりません。そのため、専門的集中治療は、高度な技術と責任が求められる医療です。

専門的集中治療で救急医になるメリットは、高度な医療技術が身につくことです。命に関わる重要な判断や処置を行うために、これまでの症例や経験によって重要な判断や処置を行います。その結果、多くの患者の命を救うための知識や医療技術が高まります。

専門的集中治療救急医になるデメリットは、勤務時間が長くハードなことです。集中治療室では、患者の状態がいつ変化するかわからないため、救急医は常に警戒しなければなりません。

災害医療

災害医療とは、災害や事故などの緊急事態に対応し、現場での救命や搬送を行う医療のことです。災害医療では、救急医は災害派遣医療チーム(DMAT)のメンバーの一人として現場に派遣されます。救急医は、現場での傷病者の緊急度や重症度に応じて治療尾の優先順位を決めることや、応急処置、重症患者の搬送などを行います。

災害医療に携わるメリットは、災害医療の専門知識が身につくことです。救急医は、災害の種類や規模に応じて、適切な医療活動を行うことが必要になります。事前に必要となる知識をしっかり勉強しておくことで、どんな医療にも対応できるようになるでしょう。また、社会的な責任感や使命感を強く感じることができ、やりがいがあるのもメリットといえます。

災害医療に携わるデメリットは、危険な環境で働くことになるため、自分自身が怪我をしてしまう可能性が高まることです。救急医は、倒壊した建物や火災などの現場で、自らの安全を確保しながら、医療活動を行わなければなりません。そのため、危機管理能力を高めておく必要があります。

災害の規模によっては、救助が遅れ命を救えない可能性もあります。精神的に辛い経験が増えてしまう可能性が高いのもデメリットといえるでしょう。

救急医が年収を上げるには

救急医は、命を救う重要な仕事をしていますが、年収は全医師の平均よりも低い水準です。救急医が年収を上げるためには、どのようなことをすればよいのでしょうか?

救急医が年収を上げる方法は、以下のようなものが考えられます。

  • アルバイトをする
  • 転職をする
  • 転科をする

それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。

アルバイトをする

救急医はアルバイトをすることで、収入を増やすことができます。救急科は救急医療の専門性や技術力が必要なので、アルバイトの需要が高い職種です。

アルバイトをすることでどのくらい年収を上げられるかは、アルバイトの回数や時間、場所などによって異なります。一般的に医師のアルバイトの時給は、1万円程度といわれています。例えば、月に10回、4時間ずつアルバイトをしたとすると、月に40万円、年に480万円の収入を得ることができます。

アルバイトするには、自分の勤務先との調整やアルバイト先の医療機関との契約が必要です。あらかじめ、働いている医療機関の勤務規則を確認しておくとスムーズにアルバイトをはじめられるでしょう。

転職をする

勤務先を変えることで、収入を増やすことができます。

救急医は専門性、技術力、体力が必要な仕事で多くの医療機関で求められています。そのため、転職のチャンスは多くあるでしょう。

転職をすることで、どのくらい年収を上げられるかは、転職先の医療機関の規模や種類、地域などによって異なります。独立行政法人労働政策研究・研修機構の「救急医の就労実態と意識に関する調査」では、施設ごとの年収が以下の金額だと公表されています。

医療機関 年収(万円)
国立 882.4
公立 1347.1
公的 1353.4
社会保険関係団体 1280.7
医療法人 1443.8
個人 1414.0
学校法人 739.5
その他法人 1406.4

引用:独立行政法人 労働政策研究・研修機構|勤務医の就労実態と意識に関する調査

上記の表から、最も平均年収が高いのは医療法人であることがうかがえます。転職先を選ぶときは参考にすると、年収アップが期待できるでしょう。

また、地方の病院に転職するのも年収を上げる方法の1つと考えられます。医師不足に悩んでいる病院も多いため、都心に比べて医師の平均年収は高くなりやすい傾向にあります。

転職を成功させるには、自分のキャリアやスキル、希望や条件などを明確にすることが大切です。転職先の医療機関との交渉や契約なども必要になってきます。

忙しくて転職のための情報収集が難しい場合は、転職エージェントを利用するのもよいでしょう。

転科をする

転科をすることも年収アップの方法の一つです。

救急医療と関連性の高い診療科や、診療報酬の高い診療科に移ることで年収を上げることに繋がるでしょう。

転科するには、自分の興味や適性、その後のキャリアを明確することが重要です。自分がどんなキャリアを構築したいかをよく考えて、転科先を選んでください。

転科に人気の診療科や、転科のメリット・デメリットについて詳しく知りたい人は以下のコラムも参考にしてみてください。

関連記事:医師が転科する理由は?人気の転科先や失敗しないためのポイントを解説

まとめ

この記事では、救急医の平均年収や激務の理由、働き方の種類、収入アップの方法について解説しました。

救急医は、多くの人の命を救う責任とやりがいを感じる一方で、年収が他の診療科と比べて低い傾向にあります。体力が必要な診療科のため、若い医師が多く働いていることや、年収を上げるために転科してしまうのが、年収が低い理由でしょう。

しかし、勤務先を変えることやアルバイトをすることで自分の年収をさらに上げることができます。

転職やアルバイト先を探したい人は転職エージェントを利用するのもおすすめです。特にメディカルジョブでは、豊富な転職先の中から個人の希望に沿った選択肢を提案しています。

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