「女医の平均月収はどのくらい?」
「女医はどのような職場や勤務形態だと収入が高くなるの?」
このような疑問を抱えている人もいるのではないでしょうか。
男女の給料の差はあるのか、年収が上がりやすい診療科などについても知っておきたいですよね。
この記事では、年齢や診療科、雇用形態による女医の年収について解説します。女医が年収を上げるための方法についても紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
女医の平均年収
女医の年収は、ほかの一般労働者と比べると高いとされており、1,000万円を超えることも珍しくありません。
「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、女医の平均年収は約1,138万円です。手取り年収は額面年収の7割ほどになるため、額面年収が1,000万円の場合、手取り年収は700万円ほどになるでしょう。
【男女別】医師の平均年収
ここでは、勤務医の平均年収について男女別で紹介します。
性別 | 男性 | 女性 |
平均年収 | 1514.8万円 | 1138.3万円 |
参考:令和4年賃金構造基本統計調査|職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
上記の表をみると、女性の平均年収は男性よりも400万円ほど低い傾向にあることがわかります。
女性医師の年収が低くなりやすい理由には、出産や育児などのライフイベントによって現場を離れたり、勤務可能な時間に制限があったりすることなどが挙げられるでしょう。
【年齢別】女医の平均年収
年齢別でみた女医の平均年収は次の表のとおりです。
年齢 | 年収 |
20~24歳 | 365.8万円 |
25~29歳 | 634.8万円 |
30~34歳 | 883.7万円 |
35~39歳 | 1,354.5万円 |
40~44歳 | 1,218.8万円 |
45~49歳 | 1,602.2万円 |
50~54歳 | 1,603.0万円 |
55~59歳 | 1,771.8万円 |
60~64歳 | 1,655.8万円 |
65~69歳 | 1,768.8万円 |
70歳~ | 1,358.4万円 |
参考:令和4年賃金構造基本統計調査|「職種(特掲)、性、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
上記の表から、女医の平均年収が1,000万円を超えるのは30代以降であり、「55~59歳」で年収のピークを迎えることがわかります。50代では部長や副院長、院長などの役職につく可能性も高まるため、年収が上がりやすいのでしょう。一方で20代は研修医として過ごす期間が長いため、比較的年収が低い傾向にあります。
【診療科別】女医の平均年収
医師の年収は、担当する診療科によっても大きく異なります。
診療科 | 年収 |
脳神経外科 | 1480.3万円 |
産科・婦人科 | 1466.3万円 |
外科 | 1374.2万円 |
麻酔科 | 1335.2万円 |
整形外科 | 1289.9万円 |
呼吸器科・消化器科・循環器科 | 1267.2万円 |
内科 | 1247.4万円 |
精神科 | 1230.2万円 |
小児科 | 1220.5万円 |
救急科 | 1215.3万円 |
参考:独立行政法人 労働政策研究・研修機構|勤務医の就労実態と意識に関する調査 図表 5-17:経営形態別にみた主たる勤務先の年収(単位=%)30P
医師の平均年収が高い診療科には、脳神経外科や産科・婦人科、外科などが挙げられます。これらの診療科では手術をすることが多いことから、保険点数の算定がしやすくなり、年収が高くなっていると推測できます。
また、年収が比較的高い脳神経外科や外科には女性医師が少ないため、女性の平均年収が男性よりも低い傾向にあるのだと考えられます。
参考:厚生労働省|女性医師キャリア支援モデル普及推進事業の成果と今後の取り組みについて|診療科別 女性医師の割合 3P
【雇用形態別】女医の平均年収
女医の平均年収は、常勤や非常勤といった雇用形態によっても異なります。
雇用形態 | 平均年収 |
常勤 | 939.2万円 |
非常勤・アルバイト | 596.8万円 |
参考:独立行政法人 労働政策研究・研修機構|勤務医の就労実態と意識に関する調査 32P
常勤医師の平均年収は、非常勤医師(アルバイト)よりも350万円ほど高い結果となっています。雇用形態によって年収に差が出る要因には、勤務時間の長さや、社会保険や福利厚生の有無などが挙げられるでしょう。
常勤医師とは、正社員として週32時間以上病院で働く医師を指しています。一方で、非常勤医師(アルバイト)はひとつの勤務先での労働時間が週32時間以上を下回る医師のことをいいます。勤務時間に差がある分、年収に差が出るのは当然だといえるでしょう。
また、非常勤医師では勤務先の社会保険や福利厚生などを受けられない場合があることも、年収の差に起因していると考えられます。
女医が年収を上げるには
女医が年収を上げるには、主に次のような工夫をする必要があるでしょう。
- 勤務時間を増やす
- 役職を目指す
- アルバイトをする
- 転職をする
上記の方法を参考に、自身が希望するキャリアやライフスタイルに合った戦略を立てることが重要です。
勤務時間を増やす
常勤の方は当直の回数を増やす、非常勤で時短勤務をしている方は常勤になるなど、勤務時間を増やすことで年収が上がりやすくなるといえます。
たとえば、当直の回数を増やして1回あたり数万円ほどの手当を得たり、残業時間を増やしたりすると給料の支給額が上がるでしょう。
ただし、病院によっては月の当直回数が決まっているところがあったり、働き方改革によって残業をしにくい環境になったりしていることから、あまり現実的な方法ではないかもしれません。また、勤務時間を増やすことで収入は増えるものの、仕事とプライベートの両立が難しくなる側面もあります。
役職を目指す
年収を上げるためには、部長や院長などの役職を目指すこともひとつの方法です。
たとえば「第24回医療経済実態調査(医療機関等調査)」によると、医療法人の院長になった場合の平均年収は約3,021万円となっています。先述したように、勤務医(女医)の平均年収が約1,138万円なので、院長の年収とは2.5倍程度の差があるといえます。
しかし、役職を上げるにはそれなりの臨床・研究スキルや時間が必要です。また、人事に関することであるため、タイミングや運の要素も少なからずあるでしょう。
アルバイトをする
医師の年収を上げるためには、常勤する病院での業務に加えて、スポット勤務や当直、健康診断などのアルバイトをする方法もあります。
医師のアルバイト(非常勤)の報酬は、1万円程度と高額です。週1回5時間のアルバイトを月に4回こなせば、スポットのアルバイトだけで年間240万円ほど収入を上げられる可能性もあるでしょう。
アルバイトをすれば手っ取り早く稼げる一方で、常勤先での労働時間以外で働くことから、体力面での負担が増える可能性が考えられます。また、アルバイト先での医師同士の関係構築や、患者さまとの信頼関係の構築も容易ではないでしょう。
転職をする
年収を上げるためのより根本的な解決策としては、転職して労働環境を変えることが挙げられます。
医師の年収は勤務先や診療科などによって大きく異なるため、転職によって数百万単位で年収が増えることも珍しくありません。激務のなか一人で転職活動をすることは難しいですが、転職サイトや転職コンサルタントを利用すれば、忙しいなかでも効率的に転職活動ができるでしょう。
まとめ
この記事では、年齢や診療科、雇用形態による女医の年収や、女医が年収を上げるための方法についても解説しました。
年収を上げるためには、勤務時間を増やしたり役職を目指したりする方法もありますが、年収アップと働きやすさの両方を求める方は転職も視野にいれたほうがよいでしょう。
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